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 米モジラCEO(最高経営責任者)のブレンダン・アイク氏が、就任2週間足らずで辞職した事件(ITproの関連記事)。一応の収束を見せて数日が経過した今、これはインターネット社会の不寛容を示す残念な出来事だという見方が強まっている。

 事件の発端は、ブレンダン・アイク氏が同社のCEOに着任した今年3月末の1年以上前からフツフツとわき上がっていた。アイク氏はもともと、Mozilla Projectを立ち上げたメンバーの一人で、米モジラ財団の共同創設者。Netscape NavigatorのためにJavaScriptを考案した人物でもある。モジラとWebブラウザー「Firefox」の誕生にとっては、重要な人間だ。

ブレンダン・アイク氏
ブレンダン・アイク氏
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 そのアイク氏は、2008年にカリフォルニア州で住民投票が行われた際、「プロポジション8」(修正案8号)を支持するための活動資金1000ドルを寄付していた。プロポジション8とは、結婚とは男性と女性の間で成立すると定めるもので、要は同性婚を違法化するための法案だ。

 住民投票の結果、プロポジション8は僅差で可決され、2013年に連邦最高裁判所で覆されるまで同性婚は違法となった。ややこしい経緯だが、プロポジション8はカリフォルニアの住民に自分の立場をはっきりするよう迫った、重大事項でもあったのだ。

 モジラ財団と言えば、インターネットのオープンさとイノベーションを護るために活動する財団であり、モジラはその営利子会社だ。そんなモジラのCEOに、同性婚に反対する人物が就任することはおかしいと、最初に声を上げたのは同社の社員だった。彼らはTwitterで「就任反対」を呼びかけた。