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 「Snapchat」と言えば、Facebookに代わってティーンエージャーに人気のソーシャルネットワーク系アプリだ。

 Snapchatの特徴は、送った写真やビデオが数秒で「消えてしまう」こと。受信した相手は、友達から送られた写真をそのとき一度だけ目にして、一瞬の共有感を味わう。送信者が設定した時間内(10秒以内)で写真は消えてしまうから、保存することも後でじっくりと見直すこともできない。重苦しいFacebookと対照的な、刹那的で後腐れのなさが何と言ってもSnapchatの魅力なのだ。

 いや、正確には「魅力のはずだったのだ」と表現するのが正しい。実は、その「消えてしまう」といううたい文句が真実でなく、米スナップチャットはユーザーを欺いていたという。同社はユーザーのプライバシーを保護するために十分な手段を講じていなかったばかりか、ロケーションや交友関係など種々のユーザー情報を無断で収集していたことも明らかになった。

 このたび、その点で提訴していたFTC(連邦取引委員会)と同社が和解した(関連記事:Snapchat、ユーザーを欺いたとする問題でFTCと和解)。その内容を見ると、テクノロジーに不案内な素人は、どんな約束も信じられなくなりそうだ。それだけではなく、メッセージを送った先の相手にも、不信感を抱きそうになる。

 受信者が設定時間を過ぎてもスナップチャットの写真やビデオをじっくりと見直す方法は、いくつもあったようだ。

 写真の場合は、サードパーティが開発したアプリが多数出ていて、これをインストールしておくと、消えてしまったはずの写真を後からいくらでも見られたらしい。そうしたアプリのうち10本は、合計で170万回もダウンロードされていたという。また、画面をキャプチャする方法もある。

 ビデオの場合は、ビデオファイルがデバイス内に保存されており、Snapchatアプリからは見えないが、スマートフォンをコンピュータに接続すれば、そのファイルにアクセスできたという。

 スナップチャットが、アプリやファイルにこうした穴を残しておいたこと自体は不注意この上ない。同社の開発者よりももっと上手のギーク、あるいはハッカーたちがその間隙を突いて、ユーザーの意図を欺く方法を広めてしまったわけだ。

 だが、何とも気味の悪いのは、そうして写真を後で見直している受信者ユーザーだ。相手が数秒のつもりで送ってきた写真やビデオを、じっくり見ようとわざわざ貯め置いておくとはいかがなものか。おふざけで送られてきた写真を面白がって再生してみせるといったティーンエージャー同士の出来事ならばまだいいが、そうでなければ何とも粘着質な話だ。相手に秘密で、何度もその写真やビデオを見ているのだ。