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 NSA(米国家安全保障局)のネット監視プログラム「PRISM」を暴露したエドワード・スノーデン氏の近況が明らかになった。先週、英国の『The Guardian』紙が長いインタビューを掲載したほか、先週後半にニューヨークで開かれたハッカー会議『HOPE(Hackers on Planet Earth)』に、スノーデン氏自身がビデオ中継で登壇した。

 衝撃的だったのは、ストレージサービスとして人気のある「Dropbox」に対して、スノーデン氏が「プライバシーの敵」だと断言したことだ。Dropboxは便利で手軽なサービスで、日本でも利用者が多い。しかし米国では、スノーデン氏の一言をきっかけに、別サービスに乗り換え始めた人も少なくないようだ。

 スノーデン氏によると米ドロップボックスは暗号化キーをコントロールし、サーバーに保存されているユーザーデータを政府に求められるままに差し出すことができるという。

 またドロップボックスは、ジョージ・W・ブッシュ大統領時代の国家安全保障担当補佐官および国務長官を務めたコンドレッサ・ライス氏を社外役員に迎え入れている。ライス氏は、「ステラーウインド」と呼ばれる米国国民の電子メールやインターネット利用をモニターする諜報活動(オバマ大統領時代に入って2年目まで継続)を積極的に後押ししたという経歴もある。ユーザーのプライバシーを守るという観点から、スノーデン氏はドロップボックスをどうしても信用できないと言うわけだ。

 なお、スノーデン氏の発言に対してドロップボックスは、「わが社は、ユーザー情報を守ることを最優先しています。また、PRISMに協力したこともありません。政府の要求には抵抗し、世界のユーザーのプライバシーが守られるよう、法律改正のために闘うことを誓っています」と反論している。

 スノーデン氏がDropboxに代わるサービスとして挙げたのは、米スパイダーオークが提供する「SpiderOak」だ。同サービスでは、ユーザー自身が暗号化キーを管理しており、サービス提供はしているもののスパイダーオークは保存されているファイルのコンテンツを見ることができない。政府がもしその内容を目にしようとすれば、捜査令状を取った上で本人からキーをもらうしかないのだ。

 スパイダーオークは、スノーデン氏の発言後にアクセスが急増したという。同社はシカゴを拠点にする、社員が40人ほどのまだ小さな企業。創設は2007年だ。同社は、スノーデン氏を直接知っているわけでもなく、また彼に推薦を頼んだこともないという。スノーデン氏は、こうしたテクノロジーのありかを熟知しているのだろう。

SpiderOakのWebサイト
SpiderOakのWebサイト
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