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 先日、サンフランシスコ市内の住宅地を歩いていたら、ローストチキンを売るトラックが住宅地のど真ん中に停まっていた。

 この車は、サンフランシスコで流行っているトラックフードの一種。それもただ停車しているだけでなく、そこでチキンを焼いているではないか。広く開けたトラックの側面からはグルグルと火の前で回る丸ごとチキンがたくさん見え、もちろんいいにおいも流れてくる。

 住宅地でローストチキンとはあまりに唐突なので、トラックの中にいる人に聞いてみたら、何とその前の3階建ての住宅でパーティーをやる、そのメインコースのために呼び出されたらしい。

 個人邸でのパーティーのために、おしゃれなコース料理を運んだり、その場で調理してくれたりするケータリングはよくあるが、トラックフードがやってくるのは初めて見た。きっと家の中ではサラダなどが用意されていて、熱々のチキンを外でもらってから、中でサラダを一緒に盛り、それでワインやビールを飲むという趣向なのだろう。面白いなあと思った。

 トラックフードは最近、会議などのイベントにも呼び出されることが多い。数種類のトラックが停まっているので、ベトナム料理とか、グルメハンバーグとか、ベーコン料理とか、それぞれにユニークさを競うトラックフードのシェフたちの間で、好きなものが選べるのだ。

 そんなトラックフードは今やサンフランシスコの名物で、高級レストランに負けないくらいイノベーティブな料理を出して面白くなっているのだが、それ以外にもサンフランシスコにいると食の点では興味深いことがたくさんある。

 たとえば、地ビールはもう何年も前から流行っていたし、最近はチェーン店でないコーヒーショップ、チョコレートショップ、アイスクリームショップなどに面白い動きがある。ただ、特徴は若くて凝ったものが好きなギークたちにも受けるような仕組みが背景にあることだ。

 コーヒーは、日本にも進出するという「ブルーボトル・コーヒー」がよく知られるが、他にも「リチュアル・コーヒー・ロースターズ」や「フォーバレル・コーヒー」も人気。さらに最近はもっと小さなロースターがたくさん出てきた。

今秋に日本でも出店が予定されているブルーボトル・コーヒー(ブルーボトル・コーヒーのWebサイトから引用)
今秋に日本でも出店が予定されているブルーボトル・コーヒー(ブルーボトル・コーヒーのWebサイトから引用)
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 共通しているのは、どこの産地の豆を誰が育てているかとか、どういった焙煎機械を使っているかといった情報も一緒についてまわることだ。そうした情報が提供されるのは、ただ凝っているというのが重要なのではなく、それ以上に、おいしいコーヒーができるまでを「一緒に勉強できる」とか「一緒に味を試すことができる」といった学習機会であることが大切なのだろうと思われる。