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 米グーグルで、上層のマネージメントチームの再編成が起こっている。

 何よりも驚いたのは、アンディ・ルービン氏がグーグルから退社することを発表したことだ。というよりも、発表されたときにはすでに退社済み。かなり急展開な出来事だったと見受けられる。

 ルービン氏は、周知の通りAndroidの生みの親だ。米アンドロイドの設立に携わったルービン氏は、2005年に同社がグーグルに買収されたことに伴い同社に移籍。スマートフォンとしては米アップルのiPhoneが先行していたが、ユニークでオープンなエコシステムを築くことでスマートフォン向けOSとしてAndroidを育て上げ、現在ではスマートフォンOSとして最大のシェアを占めるまでになった。

2011年に来日した際のアンディ・ルービン氏
2011年に来日した際のアンディ・ルービン氏
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 2013年までルービン氏はAndroid事業のトップを務めていたが、2013年春にその職を降り、秘密のプロジェクトをスタートした。それがロボットだった。

 グーグルはその後、2013年だけで8社ものロボット関連会社を買収。現在のロボット・ブームを引き起こすきっかけを作った。ルービン氏は、ロボット事業はムーンショット、つまり遠い的に狙いをつけたもので、今後10年はかかるとしていたのだが、1年ほどで辞めてしまったことになる。

 もちろん、そんな辞め方は不自然だとして、いろいろな憶測が飛び交っている。新たにラリー・ページCEO(最高経営責任者)の右腕として昇格した人物(スンダル・ピチャイ氏、ルービン氏の後任としてAndroid部門を統括)にしっくりこないのか、あるいはCEOの右腕が配置されるような組織構造に我慢ができないのかのどちらかだろう。

 いずれにしてもページ氏がCEOに就任して以降、組織再編成は何度も起こっている。最初は事業を整理してスリムにするためのものが目立ったが、今回はごく普通の会社のように組織の階層を厚くするという動きだ。

 ピチャイ氏はYouTubeを除くほとんどすべての事業部を統括し、ページ氏に報告するという立場になった。これまで各事業部のトップはページCEOに直接報告していたから、もう一層そこに重役ポジションが作られたということだ。

 グーグルは今、明らかに大企業病の兆候と闘っているようである。前回の組織再編成の際にページCEOの口から出たのは「鈍くなっているので」という言葉だ。かつてのスタートアップ的な、危なっかしいけれども、怖いもの知らずに新しいことに挑戦するとか、敏捷に世界の技術を先取りするとか、そういったことが失われて安泰とした空気がただよっていたのだろう。