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 インテルの投資部門、インテル・キャピタルが毎年開催する「Intel Capital Global Summit」(今年は11月3日~5日に開催)に行ってきた。

 秋に行われるイベントの中でも、インテルのメインイベントである「Intel Developer Forum(IDF)」は、チップの開発を中心にコアテクノロジーの進化を勉強できるが、こちらは、そうした進化の先に今後有望になる具体的な技術のエコシステムが感じられるという点で、非常に興味深いものだ。

 このイベントでの注目項目は、過去1年間にインテル・キャピタルが投資したスタートアップが発表されること。インテルがどんなテクノロジーに目を付けているのかが分かるし、「こんなテクノロジーもあったのか」と感心することも多い。

 もう一つ面白いのは、スタートアップの種類だ。ソフトウエアやインターネットサービスでのスタートアップは、今や雨後の竹の子のように大量に出ている。サービスの名前を覚えるのに苦労するほどの数に、正直言ってスタートアップバブルを感じて仕方がないが、ここに出てくるスタートアップは、クラウドインフラストラクチャー、デバイス、ワイヤレス技術など、比較的起業にお金のかかるタイプが中心。必然的に吟味されていることが分かるし、また創業者らが近頃のスタートアップの創業者らよりも歳をとっている。つまり、連続起業家や企業で経験を積んだベテランタイプが見られるのだ。

 今回投資先として発表されたのは17社。中でも最も注目を集めたのは、何と言っても13歳という若き創業者が登場した(起業時は12歳)米ブレイゴ・ラボだろう。「歳をとっている創業者が多い」と書いたばかりだが、これは例外。創業者の中学生、シューハム・バネルジー君は3歳の頃からレゴに熱中してきたらしいが、開発したのはレゴを使ったポータブルの点字プリンターだ。

ブレイゴ・ラボの創業者であるシューハム・バネルジー君(出典:米ブレイゴ・ラボ)
ブレイゴ・ラボの創業者であるシューハム・バネルジー君(出典:米ブレイゴ・ラボ)
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 この点字プリンターのコストは、たった350ドル。レゴ・マインドストロームのロボティクス・キットと、5ドル程度の追加部品で作った。従来の点字プリンターは2000~3000ドルもするらしく、破格の低コストだ。作り方やソフトウエアはオンラインで公開し、ユーザーはそれらをダウンロードすれば、自分で作ることができる。

 このプリンターは、DIYの展示発表会「Maker Faire」などでも注目を集めていたとのこと。ただし、ブレイゴ・ラボのサイトを見ると、同社はこのプリンターで話題を呼んでそれでよし、というタイプではないようだ。同社は「人間性を最適化したテクノロジー企業」であるとうたわれていて、テクノロジーのリサーチ、デザイン、クリエーション、開発を行う科学と技術サービス企業ということである。これは、発明のひとつの例であって、現在もこの手のオルターナティブ手法によって、高額製品の代替品をいろいろ考案しているらしい。