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2014年10月1日に始まった奨励金を規制する端末流通法(正式名称は「移動通信端末装置流通構造改善に関する法律」)により、韓国では、スマートフォンの端末価格が実質値上がりしてしまっている(関連記事:アップルの次はソニーとファーウェイに注目、韓国スマートフォン市場に変化)。

 そもそもこの端末流通法は、代理店や販売店ごとに奨励金(韓国では端末購入補助金という)が違うので端末価格が店によって異なり、同じ端末なのに安く買う人もいれば高く買う人もいるのは不公平だとして始まったものである。これによりキャリアは、端末と料金制度ごとに加入者がもらえる奨励金と端末価格をWebページに告知し、全ての代理店と販売店は告知通りに販売しないといけなくなった。

韓国KTの告知画面。端末流通法により韓国のキャリアはWebページに端末ごとにもらえる奨励金を明記しなくてはならなくなった。全国どの販売店でも同じ値段で端末を販売するのが目的だ
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韓国KTの告知画面。端末流通法により韓国のキャリアはWebページに端末ごとにもらえる奨励金を明記しなくてはならなくなった。全国どの販売店でも同じ値段で端末を販売するのが目的だ
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韓国KTの告知画面。端末流通法により韓国のキャリアはWebページに端末ごとにもらえる奨励金を明記しなくてはならなくなった。全国どの販売店でも同じ値段で端末を販売するのが目的だ

 ところが、10月末にiPhone 6/6 Plusが発売されてから、キャリア3社による加入者の奪い合いが再び始まった。iPhone 6/6 Plusの人気を利用して加入者を集めるために、違法と知りながらも、再び奨励金競争を始めたのだ。

 韓国メディアによると、キャリアが販売店に支給する奨励金は、通常のスマートフォンは1台当たり約1万~2万円だが、iPhone 6と同Plusだけは約6万円を支給し、できるだけ他社より安く販売して加入者を一人でも増やすようにしたという。

 韓国では、iPhone 6を巡る違法奨励金問題を「アシックス大乱」とも呼んでいる。日本のスポーツ用品メーカー、アシックスとは全く関係ない。アイフォンの「ア」と、6と16GBの「シックス」で「アシックス」というわけだ。韓国ではあまり人気のなかった16GBモデルに違法奨励金が集中したことからも、アシックスと呼ばれるようになった。

 アシックス大乱は、11月初めの夜に起きた。3キャリアの代理店の下にあるスマートフォン販売店が、スマートフォン口コミサイトに通常7万円近くするiPhone 6の16GBモデルを約2万円で販売すると夜遅くに書き残した。それを見た人が次々にTwitterで情報を広め、午前0時を過ぎだというのに数百人が集まり、スマートフォン販売店前に長蛇の列ができる騒ぎとなったのだ。

 この販売店は取り締まりを逃れるため、深夜の時間帯に口コミで集まった人にだけiPhone 6を販売した。その噂を聞いて他の代理店もこっそり深夜に違法奨励金をつけたiPhone 6を販売した。月9000円以上する最も高い料金制度を6カ月以上使うという契約を結べば、キャリアの公式奨励金に販売店側が独自の奨励金を上乗せしても儲かるという。加入者が支払う月々の料金の一部が、販売店の利益として入るからだ。