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 7月1日付けでマイクロソフト日本法人の社長に就任したダレン・ヒューストン氏。同氏が公約として掲げた「技術革新」や日本市場での取り組みなどについて聞いた。
マイクロソフト日本法人の社長に就任したダレン・ヒューストン氏

■どのような技術革新を進めていくのか。

 例えばコンシューマー市場における技術革新で中核になるのは、やはり「Windows」や「Office」だ。3つのポイントを挙げてみよう。

 第1の革新は、セキュリティだ。マイクロソフトはこれまで、(Windows XPの)サービスパックなどを提供。標準設定を変更するなどして、より安全な環境を実現してきた。さらに次期Windowsとなる「Windows Vista」や「Office12」(開発コード名)は、「これまでになく安全でセキュリティが高い製品」としてリリースすることになるだろう。米ジャイアントソフトウエアのような会社も買収したし、フィッシング詐欺やスパムメールなどへの対策機能も積極的に取り込んでいく。

 第2の革新は、製品の相互運用性の高めていくこと。例えばOfficeで、ExcelからPowerPoint、InfoPath(XMLデータ作成支援ソフト)などのデータ連携を強化する。マイクロソフトとほかの製品や周辺機器などとの連携も高めたい。

 第3の革新は、これまでとは劇的に違うユーザーインタフェースだ。これは、非常にエキサイティングなこと。例えば3次元グラフィックスを利用。先進的な検索機能も搭載する。「Windows Vista」については、開発者向けにベータ版を提供することも発表した。皆さんも、この新しいユーザーインタフェースを体験してもらえるようになるだろう。

■新しい取り組みの計画は。

 日本でも「スマートフォン」(Windowsベースの携帯電話)を投入したい。それはスマートフォンの新バージョンになるだろう。今、私の電子メールソフト「Outlook」には1800のコンタクト先が登録されているが、こうしたコンタクト先がそのまま携帯電話で利用できるようになる。スマートフォンについては、日本国内からも期待の声が寄せられている。今年中は難しいかもしれないが、ぜひ提供したい。

■日本の市場をどう見ているか。

 日本の市場ではノートパソコンの比率が高いうえに、コンシューマー向けパソコンでは、テレビ機能を融合させた製品が多い。こうした点が米国と異なる。米国では昨年のクリスマスシーズンに、「テレビを見ながらメールができる」といった用途で「Windows Media Center Edition」を搭載したパソコンの売れ行きが好調だったが、あくまでもWindowsのプレミアムバージョン的な位置付けだ。

 また、(ヒューストン氏自身がこれまで担当してきた中小企業市場については)、2世代も前のWindows NT Server 4.0を使っているようなケースが多く、新しい技術を取り入れ、システムを更新することに消極的なようだ。しかし、新しい技術・製品を取り入れることで、生産性やセキュリティは向上する。コストを下げることもできる。もっとそうした点について啓蒙活動をしていく必要があると責任を感じている。

(服部 彩子=日経パソコン)

* ダレン・ヒューストン氏は、1966年カナダ生まれの39歳。1989年トレント大学を卒業。1990年ブリティッシュコロンビア大学修士号取得。同年カナダ政府機関の経済担当顧問を務め、1994年ハーバード大学MBA取得。マッキンゼー・アンド・カンパニー、スターバックス コーヒーを経て2003年に米マイクロソフトに入社。北米地域の中小企業市場を担当する副社長を務めてきた。日本法人にとっては2人目の外国人社長。スターバックス コーヒーでは、店舗への無線LAN導入、米マイクロソフトとの提携の陣頭指揮を執った。