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 土日も休まず、1000日連続でインターネット放送──。ポッドキャスト番組として異例の記録を、約3年がかりで樹立したミュージシャンの小宮山 雄飛氏。90年代からロックバンド「ホフディラン」のメンバーとして活動し、数々のヒット曲を出したことで知られる。

 ポッドキャストの「こむぞう」を始めたきっかけは、ラジオともテレビとも違う、自分たちだけの放送メディアを持ちたかったことだ。男3人がDJとなり、楽屋ノリで好き勝手話すトーク番組。テーマこそ決めるが、台本もないし曲も流さない。収録時間は気の向くままで、編集なしの一発録り。正直、内容は相当 “ユルい”。が、そこが受けた。今では1日当たりの番組ダウンロード数は約5000、月間では15万に上る。テーマに関するリスナーからの投稿も、途絶えることなく次々と届く。

 「CDが売れないとか、アーティストにとって冬の時代が来たとか、よくいわれる。一方で、毎日5000人が僕らの番組を欠かさず聴く現象が起きている。ホフディランのライブハウスでの集客が1日約2000人とすると、それを上回るファンが、もしかしたら楽曲より多くポッドキャストを再生している計算。これはすごい」。インターネットという武器により、楽曲の売り上げ以外の面でアーティストとしての知名度が上がったことを肌で実感しているという。

 ポッドキャスト界の先頭を走る同氏だが、悩みもある。それは、ビジネスモデルの確立だ。「リスナーは番組はタダで聴けて当然と思うかもしれないが、運営費は持ち出し。しんどい面もある。いずれ有料化するか、広告に頼るしかなくなる」と吐露する。「昔の芸術家のように、個々のアーティストに特定の個人や企業が協賛してもらえるモデルが業界として確立できれば……」。小宮山氏は、インターネット時代にマッチした、アーティストの看板を支える「何か」を真剣に模索している。