PR

 リコーが2008年5月に提供を開始したオンラインストレージサービス「quanp」(クオンプ)。オンラインストレージサービスは数あるが、専用クライアントソフトを使った操作感、黒を基調としたデザイン、ファイルのサムネイルを3Dグラフィックスで立体的に表示するインタフェースなどはかなり個性的だ。コピー機やファクシミリ機を作り続けてきたリコーからなぜこのようなサービスが生まれたのか。開発プロジェクトのリーダーであるMFP事業本部CPS-PTの生方 秀直リーダーに話を聞いた。

■オンラインストレージサービスは既にたくさんあります。quanpとほかのサービスとの違いは?

 既存のサービスは、「倉庫」のような印象です。バックアップなどを目的に、データをためておく。これに対し、quanpはためることよりも、使いこなすことを主眼にしました。アップロードしやすい、データを共有しやすい、探しやすい。だからこそ、頻繁に使いたくなる。そんな気持ちになってもらえるように、操作性や機能には工夫を凝らしました。

 例えば、多くのオンラインストレージサービスではアップロードする際に1つずつファイルを選択し、アップロードの操作をしなければなりません。それに対し、quanpはアップロードしたいファイルをすべて選択して、ドラッグ・アンド・ドロップするだけです。アップロードしたファイルはキーワードやタグで検索できる機能も付けました。

 また、料金についても、保存容量が1GBまでなら無料、10GBまでなら月額300円、100GBまでなら月額980円とシンプルにしています。

■アップロードしたファイルを3Dで表示するなど、デザインも凝っていますね。

 ビジュアルにはこだわりました。quanpのコンセプトは「file your life(あなたの人生をファイリングしよう)」です。自分の人生をかっこよく俯瞰(ふかん)するようなイメージにしたいと考えたのです。自分で撮影した画像や作成したファイルなどは、自分の日々の活動から生まれるものですからね。それらを時間の流れに沿って見渡せるように。

 そのため、開発プロジェクトには初期からデザイナーに入ってもらいました。コンセプトをデザイナーに伝えて画面イメージを作り、それを実現するために必要な技術は何かを技術者と考えながら開発していったのです。

■quanpでデータを管理するには、クライアントソフトのインストールが不可欠です。そうしたのはなぜですか?

 確かに最近は技術が発達してきて、Webブラウザーだけでできることも増えています。ただ、クライアントソフトを使うことで可能性が広がると思いました。

 ヒントになったのはアップルの「iTunes」です。iTunesはクライアントソフトだからこそ、パソコン内の音楽ファイルを統合管理したり、「iPod」と連携していろいろなことができますよね。インタフェースも分かりやすい。quanpもいろいろな機能を持たせたり、面白い視覚効果を加えたりしていきたいと思っています。それには、Webブラウザーベースではやや厳しいと判断しました。

 実際、Webブラウザーだけではできない、さまざまな機能を盛り込んでいます。例えば、quanpにはパソコン内の特定のフォルダーを定期的にモニターし、ファイルが追加されたら自動的にquanpにアップロードする機能があります。また、オフラインの状態でもquanp上に保存されているファイルを確認できる機能も付けました。今後はイメージスキャナーなどのハードウエアと連携する機能なども追加できればと思っています。