PR

 MS-DOS全盛期からのパソコンユーザーなら、日本語入力ソフト「VJE」の名はおなじみだろう。当時は高い人気を誇っており、現在でもファンは少なくない。しかしWindowsに日本語入力ソフトが標準添付されるようになったことなどの影響を受け、パッケージ版の販売は2005年7月に終了している。開発/販売元であるバックスも、2006年6月から休眠状態となっていた。

 そんなVJEが、インターネット上で復活した。ヤフーが技術者向けの技術公開サービス「Yahoo!デベロッパーネットワーク」において、Web API「かな漢字変換Webサービス」として公開したのだ。バックスの社長を務めていた萩原健氏は、現在はヤフー 日本語処理技術部の部長およびYahoo! JAPAN研究所 R&D部長として日本語処理技術の研究開発に携わっている。VJEの技術がなぜヤフーに移転されたのか、そしてかな漢字変換Webサービスは何を目指しているのか。萩原氏と、ヤフー サービス統括部 企画2部の北岸郁雄部長、同部技術企画の竹内淑子氏に聞いた。

■バックスの技術がヤフーに移転された背景について教えてください。

萩原氏:4年ほど前から、バックスがこれからどのような方向に進むべきかを考えていました。Windowsにはマイクロソフトの「IME」が標準で付属するという状況の中、日本語入力ソフトは厳しい状況に置かれていました。ソフトウエアの市場自体も小さくなっていました。

 そんな折、ヤフーと話をする機会がありました。自然言語処理は、インターネット検索におけるインデックスの作成などに欠かせない技術です。ヤフーでも、日本語をいかに処理するかというテーマが非常に重要になっていました。そこで我々は、ヤフー入りを決断しました。2年前に、バックスの全社員がヤフーに転籍しています。VJEなどのソフトウエアの権利も、ヤフーに移しました。

 日本語処理技術は、ヤフーのさまざまなサービスで使われています。漢字かな交じり文を形態素解析(文章を、文を構成する最小の単位に分割する処理)して検索インデックスを作る、子ども向けのWebページにルビをふる、などです。校正支援のWeb APIなども提供しています。