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佐分利 ユージン 裕(さぶり ゆーじん ひろし)
1972年、米国オレゴン州生まれ。ワシントン大学を卒業後、日本の出版社勤務などを経て、95年にMicrosoftに入社。2003年4月に執行役ディレクター経営企画担当に就任。その後、執行役ビジネス&マーケティング担当などを経て、06年10月より現職
(撮影:村田 和聡)

 職場での導入がなかなか進まないWindows Vista。その状況を打開すべく、Microsoftが本腰を入れて普及に取り組み始めた。最大の課題は、企業ユーザーが抱えるXP上の資産をスムーズにVistaに移行させること。ソフトウエアの新技術を駆使して、“継ぎ目”をなくすことに全力を挙げている。

■企業向けのWindows Vistaが発売されて2年近く経過したのに、職場での導入比率はまだ1割にも届きません。なぜ普及が進まないのでしょう。

 皆さん、よくそう言われますが、実はXPの発売直後と比べると、Vistaの方が普及のテンポは速いのです。ある調査会社によると、世界規模で見たVistaの企業導入率は発売後19カ月で8.8%に達しました。それに対して、XPは発売後23カ月で6.6%に過ぎません。

 XPが登場したのは今から7年前ですから、ユーザーの皆さんも発売当時のことをお忘れかもしれません。当時のXPは、Windows 98や2000と比較され、「動作が遅い」とか「操作体系が変わった」といった指摘を受けました。今のVistaとよく似た状況だったわけです。それがSP1、SP2と改良を重ねるうちに安心感を持たれるようになり、急速に採用が広がっていきました。

 ですから、Vistaもさほど心配していません。特に、今年3月にSP1が出てからは、確実に導入のペースが上がっています。来年の春までには約30万台のVista機が職場に導入される予定ですし、今も毎日20件を超える問合せが企業から寄せられています。

■企業のシステム担当者は、XPで動いたアプリケーションがVistaで動かないことを心配しています。

 この問題の重要性については、十分認識しています。

 まず、全世界で広く使われているアプリケーションソフトについては、迅速に標準サポートの対象に組み入れています。例えば、オラクルのデータベースソフトやSAPのERPソフトなど主要な業務系ソフトは、ほぼ対応済みです。また、アップルの音楽管理ソフト「iTunes」も、Vista出荷当時はサポート対象外でしたが、今は標準サポートしています。

 現時点で、標準サポートしているソフトは、全部で200種類。これは、Vista発売当時の約10倍です。利用環境は格段によくなったと思います。

図1 現在、ビジネス向けのOSは、Windows 2000、XP、Vistaの3つが混在している。このうち、最大のシェアを占めているのがXPで、今なお8割を超える企業が利用している。だが、その延長サポートは、2014年4月で期限切れを迎える。どの段階でVistaに移行するか、システム担当者にとっては悩ましい問題だ
図1 現在、ビジネス向けのOSは、Windows 2000、XP、Vistaの3つが混在している。このうち、最大のシェアを占めているのがXPで、今なお8割を超える企業が利用している。だが、その延長サポートは、2014年4月で期限切れを迎える。どの段階でVistaに移行するか、システム担当者にとっては悩ましい問題だ
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