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 2008年、大きな不況の波が押し寄せている。そんな中で、企業の情報システム担当者はどう考え、どんな対策を立てているのか。IT環境を整える役目を担う担当者にインタビューを実施した。今回は第2回目として、フクダ電子で社長室経営システム部 次長を務める山口 英治氏に話を聞いた。

■情報システム部の役割とは?

 私が所属する経営システム部は、私を含めて17名で対応しています。業務はシステムの考案と導入、保守・運用などIT全般です。

 経営や現場の意思決定を迅速かつ的確にするための環境作りが、私たち情報システム部の役割ととらえています。その一環として基幹システムを更新しました。新システムの柱は、ERP(統合基幹業務システム)の導入です。

■ERPの導入を決めた理由は?

 以前は拠点ごとにシステムやネットワーク環境がばらばらで、情報の共有化という観点では立ち遅れていました。社内に共通の認証基盤すら無い状況だったのです。経営陣から業務の標準化などの要望があったので、環境の一本化を狙いERPの導入を決めました。

 実際にERPの運用が始まると、データベースの統合が進み、従業員同士の意思疎通が円滑になりました。また、拠点間の情報共有も進んでいます。製品の製造から運搬に至るサプライチェーンが強化され、発注から納品までの期間が短縮しました。納期を順守することは、企業との信頼関係を築く上では欠かせません。

 経営陣も、情報化の支援無しには経営が立ち行かないことはよく理解しています。ERPで得た情報は後2、3年ほど蓄えれば、経営判断の材料に欠かせないものになると考えています。

■導入時の障害は何だったのか?

 システムの刷新となると、情報システム部の判断だけで進めることはできません。特に従業員にとって、システムの刷新は業務の変革でもあります。

 刷新を決めた当初は、現場での反発は少なからずありました。その一方で、内部統制への危惧などから当時の業務のあり方に疑問を抱く従業員もいたのです。そのような従業員が現場のリーダーとなり、情報システム部と現場との橋渡し役となりました。

 折衝に相当な時間を費やしましたが、おかげでシステム導入時の混乱は小さなものでした。現在でも月に2回、「ERP推進委員会」と呼ぶ会合を開き、システムの問題点や改善すべき点を洗い出しています。

■今後の課題は?

 情報化を経営にどう生かしていくかという点です。基幹システムの更新は、CRMなどの顧客情報を中心とした情報基盤を確立することが目的です。ERPの導入は最初のステップにすぎません。将来的には、顧客情報を分析して経営判断に生かせる仕組みを目指しています。

 経営システム部でも維持管理にかけている時間を極力減らし、企業全体への提案などに費やせるように努めています。それが情報システム部門の使命と考えます。

●企業プロフィール
設立:1948年
主な業務:医療用電子機器の開発・製造・販売など
従業員数:2608人
フクダ電子のサイト