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 父親は、Macintoshの開発に携わったジェフ・ラスキン氏。「Macの父」とも呼ばれる、ユーザーエクスペリエンスの専門家だ。ユーザーエクスペリエンスとは、ソフトウエアやWebサービスのユーザーが感じる、肯定的な経験や感覚のことを指す。

 父親と同じ道に進んだのは当然のように思われるが、本人は「数学か物理の道を志していた」。だが、20歳の時、ジェフ・ラスキン氏が病気になったのを契機に、「父親の研究活動を途絶えさせてはならないと考え、自分が継承することを決意した」。

 21歳になると、ラスキン氏たちのアイデアを具体化するための会社「ヒューマナイズド」を設立。2年後には、最小限の操作で曲を検索・再生できるという音楽検索サイト「Songza.com」の運営を開始。そして2008年1月には、米モジラに移籍した。

 現在、ラスキン氏が最も力を入れているのは、Webサービスとユーザーを「言葉」でつなげるプロジェクト「ユビキティ(Ubiquity)」。使いやすいとされるインタフェースとしては、アイコンを使ったGUIが主流だが、「本当に使いやすいかどうかは疑問」。例えば、数が多くなると、どのアイコンがどの機能を指しているのか分からなくなる。「ユビキティが目指すのは、処理を『言葉』でお願いできる『会話型のコンピューター』だ」。

 その原型が、Firefox用のプラグインとして公開されている。例えば、「map」コマンドを使えば、Googleマップを呼び出せる。一見、従来のコマンドラインと同じに思えるが、「例えば『m』を入力するだけで『map』と補完するといったサジェスチョン機能を備える点が異なる」。今後はこの機能を強化。3~5年後には、わずかな文字入力で希望のサービスを“察する”「まるで会話をしているようなインタフェースを実現する」。