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 2008年12月18日、アドビ システムズ日本法人の新社長にクレイグ・ティーゲル氏が就任した。米アドビ システムズの2008年会計年度(2007年12月1日から2008年11月28日)の売り上げは35億8000万米ドルで過去最高を記録。その日本法人がティーゲル氏を新たな社長として迎え、2009年をどのような戦略で挑むのか、話を聞いた。

■2009年は非常に厳しい1年になりそうです。

 それは日本だけでなく、すべての国、すべての企業に当てはまることです。我々が主なターゲットとしている企業向けソフトは、やり方によってはチャンスかもしれません。ソフトやソリューションをうまく提供して、有効活用してもらえれば、それがコスト削減につながるからです。要はそれを我々がどう伝えるか、です。代理店や量販店、システムエンジニアの方と今まで以上にコミュニケーションをしていく必要があると思っています。

 その対策の一つで、ソフトウエアの営業部隊を20~30%増員しました。大手企業に対しては「企業Aの担当」「企業Bの担当」などというように担当営業制にしました。そうすることによって、よりその企業に責任を持つことができ、しっかりケアができます。ソフト単位で営業していると、同じ会社の中でそれぞれの組織がそれぞれの購入形態で購入していたり、セットで購入すればコスト削減ができるものをバラバラに購入していたりといった場合に、対処することができないためです。また、日本では企業内にいるユーザーが個々にパッケージソフトを購入するパターンが他国に比べて多い。担当営業制にすることで、割引や会社の規模に合ったプログラムの提供、効率的なライセンス購入などを企業全体に対して提案できます。

 そういったことを通じて「よりお客様に近づく」「ダイレクトに接する」ことを特に重視していきたいと思っています。

■イルグ前社長のころから徐々に手掛けているSaaSビジネスですが、特に日本においてはスピード感に欠ける気がします。

 今後、日本だけでなくオンラインでのソフト提供というのは重要になることは理解しています。ただ、重要なのは提供形態ではなく、ユーザーが何をしたいか、何を解決したいのかです。

 日本では、まだパッケージソフトや同こんされるマニュアルがほしいというユーザーが多い。手に取れる実態がある方がよいというユーザーはまだいるのです。そういったユーザーのことを考えると、オンラインビジネスへの移行は慎重にやる必要があると思っています。

■今後、御社のビジネスをどのように舵取りしていきますか。

 大きく分けて注力するポイントは2つあります。一つは前述したような顧客と密接したコミュニケーション。もう一つはソフトやソリューションをフルに生かしたコンテンツとの密接な連携です。

 今や、コンテンツは印刷媒体、Web媒体、携帯電話、家庭のテレビなどさまざまな媒体やデバイスを通じてコンシューマーに届くようになりました。そういったコンテンツを展開する際の「コックピット」になる製品やソリューションを提供したいと思います。つまり、どんな媒体やデバイスに対してコンテンツを作成する際も、アドビ製品が司令塔になる。コンテンツ作成や流通を考えたとき、「その中核にあるのがアドビ製品」。そういった位置付けや価値をユーザーに理解してもらえるような製品やソリューションを提供していきます。