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 テニスに空手にと、体を動かすことが大好きだという齋藤氏。その柔らかい物腰と柔和な表情からは到底想像できない。実は、この「体を動かす」ことが今の子どもの教育のヒントになっている。未来を担う子どもたちはパソコンとどう付き合っていくべきなのだろうか。

■パソコンは子どもに何を与えたのか。

 大きいのは、学習の道が開けたことでしょうね。英語さえできれば、世界中の中学生がMIT(米マサチューセッツ工科大学)の授業に接することだってできる。学習内容だけでなく、どこに行けば何が分かるのか、誰に聞けばいいのか、どんな本が有用なのか、そういったことも分かるようになりました。

■今の子どもに欠けているものは。

 「身体次元でのコミュニケーション」でしょうね。これはネット時代の弱点です。限定的なコミュニケーション能力に長けて、対面コミュニケーションという人間の非常に重要な部分が苦手になっている。パソコンを集中的に使って、それに時間を割く分、人と一緒にいる時間が削られていることも原因の一つでしょう。

 いろいろなものに対する「粘り」も少なくなっていますね。人間関係においても、濃くて深い関係を嫌う傾向があります。思考や考えるということにおいても粘りがない。すぐ「分からない」と言う。

 インターネットのように、人が用意した「サービス」を受動的に受け取るのに慣れてしまっている。積極的に動いてつかみ取ってやろうという野生のような感性を、今の子どもからは感じられません。セットされているゲームを解く力ではなく、先の見えない獣道を行く力強さが今の子どもからなくなりかけています。

■どうすべきなのでしょうか。

 パソコンのリテラシーうんぬんの前に、身体感覚から想像力を鍛えなくてはいけませんね。ガンダムの(シリーズで総監督を務めた)富野(由悠季)さんが言っておられましたけど、今アニメーターになる人は身体感覚が弱いから自然な体の動きが描けないのだそうです。外で体を使って遊んでいないから、実体験の感覚をもって理解できていない。他人が想像した結果に触れているだけ。机の上でパソコンをパチパチやっているだけでは、想像力は育たないんです。