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八木 耕一(やぎ こういち)
1954年東京都生まれ。78年、慶応義塾大学法律学部法律学科卒業。同年キヤノン株式会社入社。カメラ事業に携わり、18年間オランダ、ドイツ、米国の各販売会社でマーケティングを担当。84年カメラ事業企画部へ。2008年キヤノンマーケティングジャパンに着任し、現在に至る
(撮影:村田 和聡)

 2008年、2強メーカーが激しいデッドヒートを演じた「デジタル一眼レフ戦争」は、キヤノンがニコンをわずかの差で振り切った。販売台数のシェアはわずか0.2%の差。双方とも一歩も引かず、まれにみる大激戦だった。その勝敗を分けたのは何だったのか。キヤノンのマーケット担当者に話を聞いた。

■2008年のデジタル一眼レフ戦争で、ニコンとの大接戦をわずかの差で制しました。勝因は何でしょう。

 この1年間を通して、我々が1番強く意識したのは、製品ターゲットを明確にすることでした。それぞれの製品をどんなユーザーに向けて、どのように訴求していくのか。このテーマを全社一丸となって追求しました。

 その一例を挙げますと、当社のテレビコマーシャルです。例えば、エントリー層に向けて昨年春に発売した「EOS Kiss X2」のCMは「子供を撮る」をテーマに据えています。ライオンやペンギンの母親が子供を撮る映像を流し、ファミリー層に訴求しました。一方、昨年夏に本格志向のユーザーに向けて発売した「EOS 50D」は、俳優の渡辺謙さんがメーンキャラクターです。渡辺謙さんは、本格派のイメージとぴったり重なります。このように、エントリーか本格志向かで、顧客層に合わせて異なるイメージ戦略を取っているわけです。

 これはCMに限ったことではありません。開発・製造部門から販売・宣伝広告に至るまで、ターゲットを明確にした戦略をあらゆる局面で徹底した。ここが最大のポイントだと思います。

【▼大接戦!ニコンとの差はわずか0.2%】
図2 2008年度のデジタル一眼レフの販売台数シェア。キヤノンとニコンの差は、わずか0.2%。まれに見る大接戦だった
図2 2008年度のデジタル一眼レフの販売台数シェア。キヤノンとニコンの差は、わずか0.2%。まれに見る大接戦だった