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 2009年3月14日、東海道新幹線のダイヤが改正された。これに合わせて、東京─新大阪間、「N700系」の新幹線の車内で、公衆無線LANを使ったインターネット接続サービスが始まった。新幹線の車内において、「途切れないインターネット環境」が実現したのだ。パソコンやスマートフォンはもちろん、ゲーム機などの無線LAN端末でのネット接続が可能になる。ユーザーの多くが待ち望んでいたこのサービスを、技術とサービスの両面で支えたのが NTTブロードバンドプラットフォームである。今回は、同社の小林忠男社長に、列車内での接続サービスの概要や今後の無線LANサービスの展望を聞いた。

■列車内での無線LANサービスは、どのような方式で実現しているのですか。

 当社は、2006年8月に開通した「つくばエクスプレス」内での無線LANの商用サービスにかかわりました。東京・秋葉原から茨城・つくばまでを最高時速130kmで走る列車内で、安定した無線LANサービスを提供したのです。このサービスは、3つのアクセス、すなわちユーザーが操作する端末から車内のアクセスポイント、車両間、そして列車からインターネットのすべてで無線LANを活用しました。つくばエクスプレスの駅と駅との間に、約500m間隔で無線LANアクセスポイントを設置したのです。

 新幹線でのサービスは、これとは方式が異なります。端末と車内のアクセスポイントは無線LANでつなぎます。しかし、車両間は光ファイバーで結ばれており、列車からインターネットへは「LCX」と呼ぶ非接触の同軸ケーブルが用いられています。線路に沿って敷設したケーブルを使って、列車内部から外部にアクセスするのです。この方式は、とても安定しています。

 東海道新幹線の場合、東京─新大阪間の距離は約500kmです。この間を、16両編成のN700系が、時速250kmを超えるスピードで数多く走っています。そして、各車両に乗車した数多くの人が同時にインターネットにアクセスします。この規模感は、先に手掛けたつくばエクスプレスを大きく上回るものでした。多くのスタッフを投入し、綿密な実証実験を続け、本サービスに至りました。

 当社は、台湾で開通の準備が進められている新幹線でも、無線LANサービス提供のためのコンサルティングを請け負っています。先の2例と異なり、列車内ネットワークからインターネットへは「WiMAX」でつなぐ計画です。列車でのこれら三者三様の事例を、今後、さまざまな案件に応用できると考えています。