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 Office 2007の販売が始まったのは2007年1月。早いもので、2年半がたとうとしている。マイクロソフトによると、後継の「Office 2010」は来年前半に販売を始めるとのこと。それに先駆けて、今年7月にベータ版の前段階となる「テクニカルプレビュー」を限定公開する予定だ。しかし、利用状況を見てみると、Office 2007の浸透度はいまひとつ。Office 2003などの以前のバージョンを使っている人はまだ多い。こうした状況の中、Office新版を投入することで、マイクロソフトはどんな世界を築こうとしているのか。横井伸好業務執行役員に聞いた。

■Office 2007の現在の利用状況について教えてください。

 国内の個人ユーザーは、欧米と比べても、Office 2007を広く利用しています。しかし、企業はその逆です。2007への移行が早い欧米に比べ、日本では2003を含む従来バージョンのOfficeを使っているユーザーがまだ多いですね。

 国内の企業は、バージョン間の互換性を検証するのに、多くの時間とコストをかけます。例えば、Office 2003と2007の両方で、すべてのドキュメントを印刷し、比較したりするのです。過去に、罫線が1ミリメートルずれることが大問題になったバージョンもありました。日本企業は、それだけ品質に対して厳しく要求してきます。我々は、こうした要求に応える必要があるのです。

 もともと、Officeは個人ユーザーの支持を得ることに成功し、その評判が企業に浸透しました。そして、企業がバージョンアップすると、今度は「自宅も」となったのです。個人ユーザーから火が付き、それが企業に広がり、そして企業での使われ方が個人ユーザーに影響を与えました。会社でも、自宅でも、同じインタフェースで同じツールが使えることは、とても大切なことなのです。Office 2007も、企業利用が徐々に進んでいます。今後は自宅と会社の両輪に支えられ、急ピッチで浸透していくでしょう。

■次期Officeが目指す世界は。

 新Officeを一言で表すなら、「ソフトウエア・プラス・サービス」です。この概念を本格的に取り入れた最初のバージョンになります。従来のOfficeもネットとの連携機能を備えていましたが、次期版はその割合がぐっと大きくなります。

 Officeはパソコン上で動くアプリとして作ってきました。新しいOfficeでは、プラットフォームを増やします。一つは、パソコン上で動く従来通りの「リッチクライアント版」。増やすのは「ブラウザー版」と携帯電話やスマートフォンで動く「モバイル版」です。これまでWindows Mobile対応のOfficeも提供してきましたが、上記の3つのプラットフォーム向けOfficeを同時に、かつ同じチームで開発するのは初めてのことです。

 これによって、ユーザーがどこにいても、パソコンがなくても、必要なドキュメントにアクセスし、その場に応じた機能を利用できるようになります。

 では、利用シーンを説明しましょう。会社の机で仕事をするのに適しているのは、すべての機能を備えたリッチクライアント版です。帰宅後や出張先のパソコンで、見積書を確認したり、提案書にちょっと手を入れたりするときは、ブラウザー版が生きてきます。また、休暇にパソコンを持たずに旅行へ出かけたときは、携帯電話上のモバイル版で必要なドキュメントにアクセスできます。

 モバイル版Officeで、ドキュメントをゼロから作ることは想定していません。モバイル版にそこまでの機能は必要ないと考えています。ドキュメントを参照したり、ちょっとした手直しをして戻す程度で済む状況を想定しているのです。多くの人が、会社や自宅、電車の中など、それぞれの場に合ったツールを使い分けながら、メールをやり取りしているでしょう。それと同じことを、Officeで実現しようとしているのです。

 ドキュメントは自社内のサーバーに置いてもいいし、ネット上のサービスを利用しても構いません。ユーザーは自由に選択できます。ただ、会社のサーバー上にあろうと、クラウド上にあろうと、ドキュメントの実体は一つなんです。それを見たり、編集したりする方法は、ユーザーの利用状況に合わせて多様化させるべきです。マイクロソフトの純正ツールなら、どの方法で編集しても、データは壊れません。ユーザーにとって、これは大きなメリットです。また、こういう世界を実現できるのは、当社だけだと自負しています。