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 「自分や家族が住んでいる村をもっと活性化したい。だから、自ら率先して行動する。今取り組んでいる仕事も、その一環なんです」─。酒井氏は人なつっこい顔で、村議会議員に立候補した理由をそう明かす。

 酒井氏が議員を務める長生(ちょうせい)村は、千葉県東部の九十九里海岸に面し、人口が約1万5000人(2009年7月1日時点)の小さな村である。 2006年当時の長生村は、各家庭からインターネットに接続する回線網が悲惨な状況だった。ADSLサービスは始まっていたが、NTTの基地局から距離が離れると信号レベルが減衰するため、海岸沿いなど一部の地域では加入できない。ナローバンドの回線しか選択肢がなかったのだ。

 「このまま村内にブロードバンド回線が敷設されなければ、時代から村民が取り残されてしまう」。そう危惧した酒井氏は、すぐに行動を開始した。地元の商工会にボランティアとして参加し、回線の敷設に関する調査を始めた。公民館に村民を集め、ブロードバンド回線を敷設する意義や実現できることなどを周知した。

 当時の村議会議員の元へも足しげく通い、ブロードバンド回線の必要性を訴えた。だが、「陳情はあくまで“お願い”にすぎない。自分が議員になった方が手っ取り早い」と議員に立候補し、2007年4月に初当選した。村民から1000通以上の署名を集めるといった草の根運動が奏功し、丸3年かけて村に光回線を引き入れた。

 酒井氏のチャレンジは、始まったばかりだ。「インターネットを使えばコストをかけず長生村をアピールできる」と、村の一大イベント「人間ばん場大会」の様子を撮影して「YouTube」で公開した。2009年度中には、村に唯一のJR八積駅に、村民や観光客が無料で接続できる無線LANスポットを設置予定だ。