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 持っているとワクワクするパソコンだったら、ユーザーはうれしくなるに違いない。そんなパソコンを追求し続けているメーカーの一つが、ソニーである。同社は、昨年発売したモバイルノート「VAIO type P」に続き、7月7日に新しいネットブック「VAIO W」を発表した。パソコン以外にも、音楽プレーヤーやテレビなど、ネットにつながる数々の情報機器を持つ同社は、これからのネット時代において、どんなシナリオを描いているのだろうか。今回は、今年4月にVAIO事業本部本部長に就任した鈴木国正業務執行役員に、ソニーの目指す世界を聞いた。鈴木氏は7月 1日から、ゲーム機「プレイステーション」を開発・販売するソニー・コンピュータエンタテインメントの副社長も兼務。エレクトロニクスとゲームの両事業の橋渡しとしての役割を担っている。

■これからのパソコン事業に対する抱負を聞かせてください。

 パソコンは、ネットワークにつなぐことのできる機器の中で、特徴や機能を理解しやすい製品です。名前の通り、個人向けのコンピューターであり、安定した台数を売り続けることのできる、面白味のある製品だと思っています。

 パソコンの需要は、これからも堅調に推移するでしょう。なぜなら、日本のようなパソコンの浸透率の高い国だけでなく、どんな国でも、ネットワークにつながる機器としてユーザーが最初に選ぶのは、パソコンである可能性が高いからです。パソコンなら、いろいろなことに活用でき、機能的にもこなれています。

 好例はネットブックです。ネットブックは、何の制約もない、オープンなプラットフォームとして作られています。ネットにつながり、何種類ものソフトを入れて動かすことができます。安いし、どの国の人でも使える製品です。

 ただ、今後はスマートフォンなど他の情報機器との連係や融合について真剣に考えていかなければなりません。多くのユーザーは、ネットにつながる情報機器をすでに複数台所有し、画面のサイズや持ち運び可能かどうかなどによって機器を使い分けています。これらの機器を違和感なく操作できるようにしたり、連係できるようにしたりすることが、今後はとても重要になってくるのです。

■VAIOで今までにこだわってきたもの、これから大切にすべきものは何ですか。

 ソニーは、コンシューマー向けパソコンに徹底して取り組んできました。ノートというスタイルを広めたり、ユーザーの好みを考えてマグネシウム合金のきょう体を取り入れ、軽さや強さを追求したりしたのは我々だと自負しています。「i.Link」の呼び名で知られるインタフェース「IEEE 1394」をはじめ、さまざまな標準規格も、当社が先行してパソコンに取り込みました。このように、最先端を行く、他社に先駆けるということに関して、当社は「譲らない」姿勢を貫いています。これは今後も変わりません。

 我々はこれまで、VAIOのユーザー層を広げるべく、いろいろなことを意識してやってきました。特に、若い世代に対してメッセージを出そうと努力してきました。例えば、今でこそカラフルなパソコンを頻繁に見かけるようになりましたが、先行したのは当社です。ほかのメーカーに先駆けて、カラーバリエーションを豊かにし、小型にし、価格帯を下げたのです。そこで間口が広がり、若い世代をはじめ、VAIOユーザーに占める女性の比率も上がったように思います。

 当社は「所有感」にも強いこだわりを持っています。英語で表現すると「Pride of Ownership」です。VAIOを使っているとき、「ああ、自分はVAIOのオーナーなんだ」という喜び、言い換えると所有感を、ユーザーに徹底して感じてもらいたいと思っています。所有感は、材質で感じることもありますが、アフターサービスやアプリケーションなどで表現できることもあります。ユーザーに経験してもらい、培われるものが、VAIOのブランドであり、所有感なのです。

 先にネットブックの話をしましたが、何の味付けもしていないプレーンなネットブックを、ソニーが発売することはないでしょう。当社は、製品をベースのまま売る会社ではありませんし、それがたくさん売れることを目標にしているわけでもありません。いつでも、何かしらのトッピングをして、ソニーらしい味付けをします。どんな味付けにするか、いろいろと考えるのです。