PR

 パソコンや周辺機器を取り巻く市場環境は回復しつつあるのだろうか、それともいまだにトンネルの中なのだろうか。2009年のパソコン業界は、新しいワイヤレス通信サービス「モバイルWiMAX」の開始や、Windows 7の登場など、明るい話題が多い。これらの新製品/サービスによって、市場の回復は果たせるのだろうか。今回は、2009年4月に電子情報技術産業協会(JEITA)のパーソナルコンピュータ事業委員長に就任した長嶋忠浩氏に、パソコン業界の現状と今後、JEITAの取り組みについて話を聞いた。

■個人向けおよび法人向けパソコン市場の状況を教えてください。

 2008年の個人向け市場は、台数ベースで堅調に推移しました。特に、後半はネットブックが登場し、市場が活性化しました。ネットブックは一時的なブームに終わるかもしれないという見方もありましたが、結果的には新しいニーズの掘り起こしや市場の拡大に貢献したと考えています。良い影響は今も続いています。

 逆に、法人向け市場は2008年後半、厳しい経済状況の影響をもろに受け、低迷しました。しかし、2009年に入ってからは徐々にですが、回復傾向にあると見ています。購入意欲の調査においても、「買わない」という回答がもっと多いと予想していましたが、実際には半数以上の企業が「前年と同じ」「前年以上」の購入意欲があると回答するなど、IT投資に前向きな様子が見て取れました。秋以降は、数字の面で具体的な動きが出てくるのではないでしょうか。

 JEITAの活動は、直接的に市場を活性化するような派手なものではありません。市場の動向をきちんと把握し、それをデータとして整える地道な作業が中心です。しかし、こういった活動がとても大切だと考えています。

■ネットブックをどう見ていますか。

 JEITAのサービスサポート委員会には、パソコンやAV機器のメーカーが参加しています。そこでは、ネットブックを購入したユーザーからの反応に変化が見られるという話題が出ています。昨年の秋ごろは、ネットブックに対する問い合わせはほとんどなかったのですが、今年の春先以降は増えている、というのです。我々は、昨年から今年にかけてネットブックの購入者層が徐々に変わってきたことの表れではないか、と考えています。「低価格」「持ち歩ける」「ネットを楽しめる」といったネットブックの特徴がユーザーの間に根付き始め、ネットブックをフルに活用しようとするユーザーが増えているのでしょう。

 この傾向は法人でも同じです。従来使っていたモバイルパソコンよりも、価格面でのメリットが大きいネットブックをどのように活用すれば効果的かを、真剣に検討している企業が増えています。我々も、こうした流れが途切れないように、モバイル利用における「安心」「安全」を定着させ、モバイルコンピューティングの発展に力を注ぎたいですね。