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 「人はなぜ恋に落ちるのか」「愛はなぜ終わるのか」──。老若男女を問わず人類を悩ませ続ける難問に対し、脳科学という武器で挑むヘレン・フィッシャー博士。恋に落ちた男女の脳を断層撮影し、恋愛が脳の構造やその化学的な作用に大きく支配されるとの研究結果を発表したことで知られる。

 インターネットの登場は、恋愛における脳の反応を変えたのか。博士の答えは「ノー」だ。脳の機能が変わる速度は100年単位、1000年単位と遅く、ネットの影響はまだない。そもそも脳は、5歳から8歳ごろまでに、無意識のうちに自身の理想的な恋人のイメージを築き上げる。異性に関して、好みの性格や態度、人相、体つきなどをまとめた「愛の地図」が大脳生理的に描かれるわけで、道端のすれ違いざまでもSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)での出会いでも、ひと目ぼれする相手は変わらないと博士は考える。

 もちろん、ネットの世界では別人格を演じられる。「口下手な人でも、素敵な内容のメールを送れば、相手の気を引ける。従来よりもアドバンテージを得られるのは確か。だが、残念ながら相手の愛の地図を変えることは不可能」。たとえ仮想空間サービス「Second Life」であっても、分身であるアバターの行動は脳によって支配される。仮想世界の恋愛も現実を反映するそうだ。

 博士の理論では、人によって脳が多く分泌する化学物質は違い、種類によって性格を4タイプに分類できる。タイプごとに相性の良いタイプも大まかに決まる。

 「私の見立てでは、ビル・ゲイツ氏やスティーブ・ジョブズ氏は、テストストロンを多く分泌する「指導型」。テストストロンは薬指を長く成長させる特性がある。彼らの薬指は人差し指より長いのではないか」。ぜひ一度見てみたいと、第一線の人類学者は目を輝かせながら語った。