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 「以前のFileMakerの購入形態は、1人が1本、という形だった。最新版のFileMaker 10では、10~15本の単位で購入するユーザーが増えている」――こう話すのは、米ファイルメーカーのドミニーク・グピール社長。ファイルメーカーは2009年10月、日本で初めてとなるイベント「FileMaker カンファレンス」を開催した。イベントに合わせて来日したグピール氏は、FileMakerが大企業で使われる事例が増えてきたことを強調する。

 大きな契機になったとするのは、2007年に発売した「FileMaker 9」。外部のSQLデータソースへのリアルタイム接続機能を搭載した。その結果、「Oracle」や「MySQL」など基幹系のSQLデータベースに対して、FileMakerでデータを入出力するという使い方も広がってきたという。「米国ではとても速くビジネスが立ち上がっている」(グピール氏)。

 国内でも事例が出始めた。その一つが、国土交通省のある部署が採用する、窓口業務とレポート作成の支援システム(開発はキー・プランニング)だ。同省では、各地にある地方局の窓口で各種の業務が行われる。その状況を本省がリアルタイムに把握し、分析/統計レポートを作成するといった必要がある。そこで、システムの本省側にFileMakerを導入した。地方局が扱うデータはMySQLに格納し、そこに本省側のサーバーソフト「FileMaker Server」がリアルタイムに接続。本省の担当者は、デスクトップで動作する「FileMaker Pro」を使ってFileMaker Serverから最新のデータを読み出し、レポート作成に利用する。

 本省では、さまざまな形式で分析/統計レポートを作成する。このため、担当者自身が自由に出力形式をカスタマイズできる必要があった。データベースの専門家でなくても、データの読み込みや加工を容易にできるFileMakerが適していたという。「レポートの出力形式を変更するには、これまではシステムの改修が必要だった。FileMakerを使えばカスタマイズをユーザー自身ができるため、運用にかかるコストも抑えられる」(キー・プランニングの木下雄一朗社長)。

 このように、FileMakerは他のSQLデータベースの置き換えではなく、相互補完的な位置づけで使われるケースが少なくない。グピール氏自身も「スケーラビリティについては、Oracleには及ばない」と認める。「だが柔軟性や、変化に迅速に対応できることなどは勝っている。大企業の一部門などで、フィット感のある製品として受け入れられている」(グピール氏)。

 製品の売れ方も変わってきた。これまでパッケージ販売が主体だったが、ボリュームライセンスでの購入が増えている。「米国では、既に大半がボリュームライセンス」(グピール氏)という状況。日本ではそれには及ばないが、増えていることは確かだという。

 同社は、FileMakerを利用したシステム開発などを手がける企業が集まるFileMaker Business Alliance(FBA)」を組織する。6月には、FBAメンバーが開発したソリューションにFileMakerをバンドルして販売する際の割引購入プログラムを国内で開始した。このようにパートナー各社との連携を強化しながら、国内でもさらにライセンスの販売を促進する構えだ。