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 米アップルの株価が好調である。2009年11月20日の時点で、200ドル前後を推移。上場以来の最高値の水準を維持している。10月19日(米国時間)に発表した2009年度第4四半期の決算では、約300万台のMacと約1000万台のiPod、約740万台のiPhoneを四半期中だけで出荷したことを明らかにした。Macについては、前年同期比17%増で、過去最高の出荷台数だったという。

 好調の理由はどこにあるのか。今後どのような戦略で市場を攻めるのか。11月19日、来日したフィル・シラー上級副社長に話を聞いた。

■“リーマンショック”以降、業績が低迷し、新規開発を手控える企業が少なくない中で、アップルは新製品を矢継ぎ早に投入してきた。結果、吉と出たようだが。

 アップルという企業は、元々景気の動向に左右されず積極的に投資する姿勢を貫いてきている。常にベストな製品を市場に投入していくという企業ポリシーがあるからだ。不況の今だからこそ、「価値」というキーワードが非常に重要になってきている。消費が冷え込んでいる中でわざわざお金を使うのだから、ユーザーがより良いものを買いたいと思うのは当然だ。例えば後々まで自慢できそうな製品。ユーザーは価値の高いものを選んで購入したい欲求がある。

 こういった欲求を踏まえれば、技術的な革新があり、品質に対するこだわりがある製品を世に送り出すのは、アップルにとっては至極当然のことだった。だからこそ、製品開発の手をゆるめることはしなかった。ほかのメーカーが投資を手控えることが多かっただけに、我々の製品の魅力が市場で激しく際立ったのだろう。

 振り返ってみると、2009年はアップルにとって特別な1年だったように思う。MacもiPodも販売台数は好調。携帯電話機市場に参入してからわずか2年あまりにもかかわらず、iPhoneは市場を牽引するほどの存在に育った。iPhone向けのアプリケーション配信サービス「App Store」も好評である。自画自賛だが、本当にすばらしい1年だった。

■前四半期は、過去で最もMacが売れ、約300万台に及んだ。なぜ今、Macが市場で受け入れられるようになったのか。

 Windowsパソコンを使っているユーザーがMacへ乗り換える現象が、最近になり広まっているからだ。多くは、それまでMacを使ったことがなく、iPodやiPhoneを購入して初めてアップル流のスタイルに触れ、それを気に入ってくれた方々だ。アップルの製品は「楽しい」「おもしろい」から、だったら次に買うパソコンは思い切ってMacにしようか――。そんな風に感じていただいた方がたくさんいらっしゃった。

 実は、この流れを加速させているのが、奇しくもWindows 7の存在だ。Windows Visitaにはさまざまな問題があり、XPのままで使い続けているパソコンユーザーが多いと聞く。こうしたユーザーは、Windows 7の登場によりOSのアップグレードを検討するものの、XP時代の旧式のパソコンではWindows 7が快適に動作しないことが多い。結局パソコンを買い替える必要に迫られる。検討のうえ、これを機に自分が持っているiPodやiPhoneを作ったアップルのMacに“スイッチ”するユーザーが増えている。