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 高台寺は、豊臣秀吉の菩提を弔うために、夫人のねね(北政所)が開創した禅寺である。京都市の東山にあり、紅葉時のライトアップでも有名な観光名所だ。その境内を散策したり、子院である圓徳院の住職の説教を聞いたりすることが、インターネット上で可能なことをご存じだろうか。

 高台寺がWebサイトを開設したのは、1998年4月。執事の真神啓仁氏によると、「当時は外国人観光客の誘致を始めたところで、世界とつながるにはインターネットの活用が不可欠と考えた」のだという。それ以来、寺院の紹介や行事の告知を掲載するだけでなく、30秒ごとに更新するライブカメラ画像を公開するなど、ネットならではの情報発信に取り組んできた。「最近は、桜の開花状況や紅葉の色付き具合など、ある程度の情報をWebサイトで調べてから来られる方が非常に多い」そうだ。2008年10月には、動画共有サイトの「YouTube」内に、「高台寺channel」をオープン。美術館の展示案内や、圓徳院住職の説教などを配信している。

 この10月からは、Googleマップの「ストリートビュー」内で、まるで境内を歩いているかのような360度画像の公開が始まった。ストリートビューを活用したグーグルのパートナープログラムに、第1号として参加したためだ。真神氏はそこに、単なる観光案内にとどまらない利点を見いだしている。「お寺には階段が多いし、バリアフリー化が難しいが、ストリートビューで境内の様子が分かれば、障害のある方がどこまで入れるのか事前に調べられるし、介護の方も計画を立てやすい」。

 真神氏は、「お寺といえども、ネットの活用といったデジタル化は避けられない」とする一方で、それをあくまでツールだととらえる。「Webサイトをきっかけに実際に足を運んでもらい、宗教本来の内面を見ていただくのが一番ありがたいです」。