PR

 新しいインクジェットプリンターは毎年、秋から年末にかけて登場してくる。今の主流は、プリンターとスキャナーが一体になった複合機と呼ばれるタイプである。これに加えて、パソコン不要で写真印刷に特化した小型のフォトプリンターも定着した。今冬はWindows 7が登場したこともあり、パソコン/プリンター市場の話題は多い。たくさんの人が、プリンターの買い替えを検討していることだろう。しかし、インクジェットプリンターは性能面や機能面で、ほぼ成熟したかのようにも思われる。今後、プリンターはどのような進化を見せるのだろうか。今回は、エプソン販売の平野精一社長に、市場の動向や未来のプリンター像について話を聞いた。

■インクジェットプリンター市場の最近の動向を教えてください。

 2009年度に限ると、不景気の影響で市場全体は若干落ち気味です。しかし、2つのポイントをアピールできれば、今後、市場は伸びていくと私は思います。

 一つは、プリンターを使えば便利になると、多くの人に認知してもらうことです。パソコンの世帯普及率は7~8割ですが、プリンターはその数字に届いていません。つまり、単純に数字だけを見ても、伸びる余地があるのです。

 インクジェットプリンターの家庭での用途は、写真印刷が中心です。我々はイベントなどを通じて、写真印刷の楽しさを伝える努力をしていますが、そのたびにユーザーからの「写真をここまできれいに印刷できるとは知らなかった」という声が聞かれます。認知度は、製品に新しい機能が追加されたから高まるものではありません。写真の歴史は古く、専門店に頼まないときれいに印刷できないと思っている人は多いのです。「プリンターでも十分にきれい」だと業界全体でアピールしていますが、行き届いていません。今後は、さまざまな活動の中で、認知度を高めていくとともに、新しい使い方を提案していきたいと考えています。

 もう一つは環境問題です。低パワーで動作し、製品の作りがシンプルなインクジェットプリンターは、他のプリンティングテクノロジーの機器と比べ、環境にやさしい機器です。オフィスで主流のレーザープリンターと比べた場合、インクジェットプリンターのパワーは当社比で10分の1程度、二酸化炭素の発生量もとても少なくて済みます。紙の種類によってレーザーよりも印刷品質が見劣りする面もありますが、インクジェットなら訴求力の高いカラー印刷が比較的、低いコストで可能になります。環境問題が重視される中、インクジェットプリンターの注目が高まる可能性があると見ています。

■今年の年末商戦では、ユーザーに対してどんな点をアピールしたいですか。

 暮らしの中で「なくてはならない存在」として、インクジェットプリンターを身近に置いてほしいと思います。そのためのアプローチとして、新しいタイプのフォトプリンターを発売しました。

 それが、デジタルフォトフレームと一体化させたフォトプリンターです。キーボード付きなので、パソコンが苦手な人でもキレイな年賀状を簡単に作れます。パーティーでお気に入りの写真が撮れたら、その場でそれをデジタルフォトフレームに表示したり、印刷したりできます。さらには、その写真を使って皆の名前で年賀状を作ろう、となるかもしれません。年賀状になじみが薄い若い人たちの間で、新しい使い方が広がる可能性もあります。いろいろな楽しみ方がある分、プリンターを身近に置く機会が増える点をアピールしたいですね。

 この製品を通じて売りたいのは、プリンターというモノではありません。「プリントすること」「印刷を楽しむこと」を売りたいのです。「楽しみを売っていく」という発想から自然に生まれたのが、このデジタルフォトフレーム一体型フォトプリンターなのです。どちらかと言えば、プリンターはこれまで家の中の見えない場所に隠しておく機器でした。今年は、リビングに置いても不自然ではなく、満足できる速度や印刷品質に加え、誰に見られても恥ずかしくないプリンターを目指すことに挑戦したのです。