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 米ラスベガスで開催中の展示会「2010 International Consumer Electronics Show」(CES)の会場で、インテルのモバイル部門を担当するバイス・プレジデント、ムーリー・エデン氏に、同社のプロセッサーに関する最新動向や方針を聞く機会を得た。これはラウンドテーブルといい、複数の記者が質問を行うもの。ここでは筆者の質問を中心に、その模様をお届けする。

■次世代CPUのマイクロアーキテクチャー「Sandy Bridge(サンディブリッジ)」では、新しい命令セットが追加されます。しかし、今回発表された新しいATOMや、Core2アーキテクチャーを使うCULVなどの低価格プロセッサーでは、当面この命令セットを使えません。これらの製品では、新しい命令セットは不要なのでしょうか?

 まず、誤解をといておきましょう。次世代のプロセッサーが登場すれば、当然、その低電圧版(LV)や超低電圧版(ULV)が作られ、さらにCULVも登場します。このため、CULVクラスの製品については、新しい命令セットを備えたものがいずれ出荷されます。

 ですが、ATOMプロセッサーは、Core2や、その後継となるマイクロアーキテクチャーを持つプロセッサーとは異なる系列の製品です。低消費電力であることを優先した小さなフットプリント(基板上でのチップの占める面積)の製品で、必ずしも専用アーキテクチャーを採用した性能を優先する製品ではありません。それゆえ、高性能を実現するための新しい命令セットなどは、必ずしも必要ありません。もちろん、時間がたてば、新しい命令などが取り込まれる可能性は否定しません。ですが、上位のアーキテクチャーで新しい命令を採用したからといって、すぐにこれをATOM系列の製品に入れることはありません。

■次に、Core i7などに搭載されたターボブーストについておたずねします。これまでユーザーは、動作周波数やコア数などを頼りに製品を決めていましたが、ターボブーストにより実際のクロック以上の性能が出ることになります。このとき、プロセッサーによって、どの程度までクロック周波数が上がるのかが異なり、必ずしも一定ではありません。シングルスレッドの性能を重視する場合に、ユーザーは何を基準に選ぶべきかが分かりにくくありませんか?

 今回、我々はCore i3、i5、i7を出荷開始しました。基本的な考えかたは、Core i3がGood、i5がBetter、i7がBestです。まずはこの3つの中から1つを選び、あとはその中で動作周波数やコア数を加味したプロセッサーナンバーを選べばいいのです。高い性能が必要ならi7を選択すべきです。

 必ずしもすべてのプロセッサーで、すべてのナンバーを用意しているわけではありません。もし、i5とi7のどちらかを選択できるのだとしたら、i7のほうが性能が高いと判断してまず間違いないです。

■一部の製品では、CPUにGPUが内蔵されました。アプリケーションの処理中にCPUとGPUの両方がフルに動作してしまうと、ターボブーストが効かなくなりませんか?

 実際のアプリケーションの挙動をみると、CPUもGPUも同時にフル稼働することはほとんどなく、ターボブーストが有効となる局面は少なくありません。我々は、ターボブーストが動作しているかどうかを表示するWindows 7用のガジェットを提供しています。これを見れば、どれだけターボブーストが有効になっているのかが分かると思います。

■日本だと、ATOMを使うネットブックとCULVの一部の機種が非常に近い値段で販売されています。ATOMとCLUVの棲み分けは、きちんとできているのでしょうか?

 もし、値段がほとんど変わらないのなら、私はCULVを買います(笑)。ATOMとCULVでは、性能がかなり違いますから。市場において何をいくらで売るのかは、PCメーカーや販売店が決めることで、我々がコントロールすることではありません。実際にはメーカーや販売店の意向で、ある種の製品が非常に安く売られることはあるでしょう。ですが、基本的に両者は別の製品で利用している部品にも違いがあるので、価格差がつくはずです。

■今回、モバイルでCentrinoブランドをやめて、これが無線LANモジュールのブランドに変わった理由を教えてください。

 これは、技術上の問題ではなく、マーケッティング上の問題です。これまでは、Core 2シリーズのみで、そのうち、一定の条件を満たした製品にCentrinoというブランドをつけていました。しかし、今回我々のプロセッサーはCore i3、i5、i7という切り分けとなり、先に説明したとおりそれぞれGood、Better、Bestに当たります。このため、Centrinoという1つのブランドだけでノートPCを選べなくなったからです。