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 「iPod」などの携帯音楽プレーヤーが爆発的に普及し、音楽配信サイトで楽曲を購入するスタイルが一般的になるなど、パソコンと「音」の関係が深まりつつある。

 オーディオメーカーのオンキヨーは、2007年にパソコンメーカーのソーテックを買収、翌年に吸収合併するなどして、パソコン事業を急速に拡大している。2009年10月には、同社製パソコンのブランドを「SOTEC」から「ONKYO」に変更。同年12月には、パソコンメーカーの工人舎との協業を発表し、工人舎のパソコンをONKYOブランドで発売した。同月には、ノートパソコンの受託生産大手の台湾インベンテックEコーポレーションとの提携も発表している。

 今回は、オンキヨーのパソコン事業を統括する菅正雄常務取締役に、パソコンビジネスの戦略を聞いた。

■パソコン事業で、どのようなことを目指していますか。

 オーディオの世界では、携帯音楽プレーヤーがユーザーの支持を得ています。携帯音楽プレーヤーは、従来型のオーディオを、パソコンのテクノロジーによって新しいアクセサリーに置き換えた製品と言えます。ただし、これはポータブルの世界でのこと。オーディオには据え置き型の世界もありますが、そこはまだ手つかずのままです。

 テレビを含む据え置き型オーディオの分野には、パソコンや携帯電話の優れた技術を生かせる土台があります。ところが、メーカーの多くは縦割りで、新しいマーケットを作り出す体制には必ずしもなっていません。例えば、テレビの部隊はテレビをいかにネットワークに対応させるかを考えていますが、パソコンや携帯電話の技術を取り入れようとはしていません。自分たちだけの世界で仕事をしているのです。

 当社は、据え置き型のオーディオの世界を、パソコンや携帯電話の技術を使って作り直すことに挑戦しています。我々は、欧米も含め、オーディオやホームシアターの世界でブランド力を持っており、音響や映像の技術力があります。こうした挑戦ができるのは、当社だけです。

 従来の世界を作り直し、新しい世界を作るに当たって、テレビは非常に重要です。しかし、我々が今からテレビを作ることはできません。そこで我々は、すでにあるテレビをパソコンのディスプレイだと考えました。パソコンにつなぐことで、テレビの付加価値を上げる戦略です。

 そのための一つの方向性は、インターネット経由で受信した映像や情報をいつでも表示できる世界を実現することです。その場合、ワープロや表計算のためのソフトは不要です。しかし、コンテンツは重要で、メールのやり取りや写真の表示、ビデオや音楽の視聴などが、リモコンで簡単に操作できなければなりません。

 もう一つの方向性は、ユーザーがいろんな夢を持って、徐々に製品を買い足したり買い替えたりしていける、オーディオのようなスタイルを実現することです。テレビのライフサイクルは、パソコンよりもずっと長く、10年程度です。パソコンは、早ければ半年で次世代の製品が出ます。このようにライフサイクルや進化の速度が全く違うもの同士を一つにすると失敗します。

 ネットブックの登場により、パソコンはネットワーク機器であるというイメージが強くなりました。使いたい機能だけに絞って価格を抑えるという考え方も広がりました。これを利用し、パソコンの世界ですでに浸透しているBTOのスタイルをテレビの世界に持ち込み、ユーザーが自分の好みに合わせて、テレビにつなげるパソコンや機器を選択して購入できるようにしたいと考えています。ホームシアターを手掛ける当社は、こうした機器の設置もサポートできます。