PR

 パソコン周辺機器大手のアイ・オー・データ機器が、デジタル放送関連の事業を拡大させている。最近ではWindows 7のWindows Media Centerでデジタル放送を視聴可能にするチューナーや、miniB-CASカードを採用した小型チューナー、アナログテレビ向けのLAN対応のチューナーなどを矢継ぎ早に出荷。2010年1月には、長年の競合相手であるバッファローの親会社、メルコホールディングスらと共同で、業界団体のデジタルライフ推進協会を設立した。

 アイ・オー・データ機器 代表取締役社長の細野昭雄氏に、デジタル放送分野の製品戦略について聞いた。

■メルコホールディングスらと業界団体を設立した狙いは何ですか。

 グレーゾーンの多いデジタル放送の規定を明確にして、公正な競争環境をつくっていきたいということです。

 当社は12年ほど前からアナログのテレビチューナーを手掛け、5年ほど前にはデジタルチューナーの事業を始めました。当初、デジタル放送に関する資料はほとんど存在していませんでした。デジタル放送関連のノウハウは大手家電メーカーの暗黙知としてのみ存在しており、パソコン業界からデジタル放送を手掛けるには、そうしたノウハウを一切持たない中で製品を開発しなければいけなかったのです。例えばチューナーユニットの起動やチャンネル切り替えは、そのままでは時間が掛かりすぎる。それを短縮するため、試行錯誤を繰り返していました。

 2006年の夏にはパソコン向けワンセグチューナーが各社から市販されました。当社はテレビ関係団体のお墨付きを得るまで待つ姿勢でしたが、その間に韓国製や台湾製のチューナーユニットを使った製品がなし崩し的に製品化されました。コンテンツ保護も一応掛けてあるけれども簡単に外せるような製品もありました。

 こうした体験を経て当社は、「今はグレーなことが多すぎる」という感覚を持っています。「グレーで出してみて、だめなら引っ込めればよい」という立場のメーカーはともかく、バッファローや当社などきちんと対応していく方針のメーカーはそうした製品を出すわけにいきませんから、規定がグレーな状態は競争環境が公正ではありません。そうした状況は今でも変わらず、チューナーの開発部門からは判断に迷うことがあるという報告がいくつか上がってきています。「ルールはこうなんだ」というのを明確な形で示してほしい、ということです。

 パソコン周辺機器メーカーである当社は、大手家電メーカーと違う立場で使い方を提案できます。今のデジタル放送は不便なことが多く残っていますので、改善していきたいと思います。