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 フジテレビのニュース番組でおなじみの木村太郎氏。ジャーナリストとして知られる同氏に、もう一つの顔があることをご存じだろうか。神奈川県葉山町にあるコミュニティー(地域)FMラジオ局「湘南ビーチFM」の代表取締役も務めるのだ。

 二足のわらじを履くのには訳がある。「地域に根ざした、地域のための情報伝達ができるメディアを、住民は求めていた。湘南の住人は、六本木の“音”ばかりを聞きたくはない。何とかしたかった」。地域活性化の必要性が叫ばれて久しいが、地域ラジオ局こそが地域活性化の主体的役割を担うべきというのが持論。そこで自ら動いた。

 とはいうものの免許の制約上、地域ラジオ局は数~数十ワットの出力でしか放送できず、対象エリアをカバーすることもままならない。そこで木村氏が目を付けたのがインターネット。

 実は湘南ビーチFMは、電波で放送中の番組をそのままインターネットを通じても同時中継するサイマル放送を1996年にいち早く開始した。「インターネットを使えば、電波が届きにくいところも含め、津々浦々まで番組を届けられる。リスナーが望むなら、世界のどこからでも聞いてもらえる」。

 先進的な取り組みは、全国の地域ラジオ局を大いに刺激した。2003年ごろから、志を同じくする局と、著作権関連の団体と権利処理に関する交渉に当たる。結果、楽曲をネット配信する取り決めを交わすことに成功。現在、34局がサイマル放送を提供するに至る。

 「スタートラインには立った。後は、ネット配信が当たり前の全世界のラジオ局と肩を並べる魅力的な番組を作れるか、各局の手腕が問われている」。内容を競い合って、地元に根差した良い番組を作っていければ、地域でも世界でも高い評価を得られる価値のあるメディアとして生き残っていける。そう同氏は考える。