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 教育の情報化をめぐる動きが、このところ活発化している。2009年度には「スクール・ニューディール」構想の下、多額の補正予算が投入され、学校現場の環境整備が進んだ。

 2010年に入ってからは、文部科学省が有識者を集めた懇談会を設置。教育の情報化を促進するための施策の議論を進めている。この懇談会を主催するのが、鈴木寛副大臣。自身が教員経験を持ち、教育の情報化にも長年取り組んできた経歴を持つ。文部科学省は教育をどのように変えようとしているのか、鈴木副大臣に聞いた。

■教育の情報化によって、どんな効果が生まれると考えていますか。

 キーワードは2つあります。一つは「カスタマイズ」です。それぞれの子どもの学習状況に応じて、教師の指導やカリキュラム、教材を適切にデザインできるようになるということです。

 教師は子ども一人ひとりの情報をたくさん持てるようになりますから、それに応じて指導の内容を変えられます。また教材がデジタル化されることで、文字と静止画だけでなく、動画、検索、アーカイブ、シミュレーションなど多くの素材が加わります。こうした多くのコンポーネントの中から、その子に応じたものを組み合わせることができるようになるのです。

 もう一つは、「コラボレーション」です。ネットワークやグループウエアを通じて、子ども同士がグループとして何かを学べるようになります。

 そのためのソフトと、促進する人材と、必要なICT(情報通信技術)の環境を、バランス良く、段階を踏んで整備していくことが必要なのです。

■文部科学省はこれまでも、教育の情報化に取り組んできました。副大臣は、現状をどう評価していますか。

 確かにこれまでも取り組みはしてきました。しかし従来は、ICTを活用して子どもたちの学習や学びをどう再構成していくか、という視点が足りなかったと思います。

 これまでの教育では、暗記力や反復力が追求されてきました。しかし今、教育自体が岐路に立っています。今後は、多様な社会の中で多様な人材が、一つの目的に向かって協働していく時代です。そこで必要なのは、真・善・美の判断力とコラボレーション力、コミュニケーション力だと私は考えています。

 そうした人材を育成する上で、学びをいかに豊かにしていくか。その観点からの教育の再構成が、今始まったのです。「学校教育の情報化に関する懇談会」(安西祐一郎座長)を設置し、認知科学の専門家なども交えて議論をしています。

 現状について私が最大の問題だと思っているのは、学校現場のネットワーク環境です。地域による整備状況のばらつきが、極めて大きいのです。この部分の取り組みは各市町村に任されている部分なので、どうしても差が出てしまいます。どう底上げするか、真剣に取り組まねばなりません。