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 米Intelが2010年9月13日から米国サンフランシスコで開催しているIntel Developer Forum 2010(IDF)の会場で、同社Chief Technology Officerであり、Vice President And Senior Fellowのジャスティン・ラトナー氏にインタビューする機会を得た。同氏は最終日に基調講演を予定しており、今回のインタビューはその内容を踏まえていないことに注意をしていただきたい。

――まずCPU技術のトレンドについて聞きたい。現在コア数はだんだん増えている状況にあるが、今後もそれが継続して、やがて「Knights Corner」のようなメニーコア路線へ発展していくのか。

ラトナー氏 初日に紹介した「Sandy Bridge」が好例だと思うが、どちらがどちらということはないだろう。少数の大きなコアのCPU部が汎用のプログラムを動かし、大量の小さなコアのグラフィックスチップ(GPU)が専用のアプリケーションを動かす。この両方が搭載されている。このように、単純にどちらかということはなく、両者がバランスしていくことになるだろう。

 ちょっと話は変わるが、Sandy Bridgeにおいて重要なポイントはCPUとグラフィックスチップ(GPU)が同じダイに載っていることにある。あまりメディアでは重要視されていないが、ミッドレンジの外付けグラフィックスボードと同等の性能を、Sandy Bridgeの内蔵グラフィックスで実現している。今後さらに統合は進んでいくことになるだろう。

――しかし、そういったコア数を大量に使うアプリケーションは、コンピュータービジョンや画像処理などばかりで、あまり種類が広がっていないように思うが。

ラトナー氏 短い期間で考えると確かにそう見えるかもしれない。しかし長期的に見れば、コンピューターは利用者の状態や周囲の状況などのコンテキストを把握し、適切な情報を提示できるようになる。そのためには大量のデータ処理が必要となる。ソーシャルネットワークに接続し、周囲にある物体や電子メールやメッセージングなどのトラフィックを通じて、個人の行動を手助けする。これを遅延なく実施するには、フロントエンドとなる機器でデータを処理する必要があるだろう。このようなコンテキスト理解が、次の大きなポイントとなる。

――現在はクラウドコンピューティングが注目を集めており、処理がサーバー側にシフトしている。それが揺り戻してくるということか。

ラトナー氏 クライアント側だけとかサーバー側だけということはなく、両者がともに性能を向上させていることは明らかだろう。例えば、拡張現実(Augmented Reality)を実現する場合を考えると、クラウド側に存在する大量のデータを検索するのに、クライアント側にあるコンパスやGPSの情報を使って解空間を絞り込んでから、画像のマッチング処理を実施している。これは一例だが、最善のユーザー体験を実現するには遅延なく適切な情報を提示する必要があり、そのためには両者がうまくバランスを取らないと実現は不可能だ。

――インターフェースは今後どう進展していくか。やはり光に置き換えられていくのか。内部のインターフェースも光化するのか。

ラトナー氏 まだ現在の光インターフェースは高価で、大量に生産できる状況にない。高速なインターフェースを実現できることは分かっている。問題は価格だ。

 そのためIntelでは、シリコンで光通信を実現する「シリコンフォトニクス」を開発している。まだ技術的に実現可能であることを証明したにすぎない段階だが、今後数年すれば高速なインターフェース技術として使われる可能性がある。

 PCの内部に目を向けても、光による接続は可能性が高い。例えばメモリーとCPUの間は、熱を考慮すれば物理的に場所を離したい。しかし1インチでも回路を長くすると、アクセスに影響を与えることになる。この問題を解消する手段として光化は有力な選択肢だ。