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 台湾のアスーステック・コンピューター(ASUS)は2007年10月、低価格なネットブック「Eee PC」を発売した。Eee PCは日本でも2008年1月に7型液晶とWindows XPを搭載して、約5万円の価格で登場。国内外でネットブックブームを巻き起こした。その後も同社は、パソコンのラインアップを拡充し続けている。

 米調査会社のガートナーによれば、2010年第2四半期(4~6月)に同社は、世界全体でのパソコン販売台数で5位となっている。

 同社のジョニー・シー会長に、パソコン事業の戦略を聞いた。

■Eee PCがきっかけとなったネットブックのブームは予想していましたか。

 ある程度は予想しましたが驚きもありました。パソコンという機器では、イノベーション、パフォーマンス、互換性の3つが重要です。私は、Eee PCのイノベーションの一つは「ジャスト・イナフ=ちょうどよい」だと考えています。

 我々は、クラウド時代へと移行するためのイノベーションの一つと考えてEee PCを作りました。Eee PCを作るとき、我々はよく話し合い、ノートパソコンのカテゴリーでなくマザーボードのカテゴリーから作ると決めました。だからこそ、既存ビジネスの制約を受けることなくイノベーションが生まれ、今の成功につながったと考えています。

■いよいよ本格的なクラウド時代に入ってきたと見ていますか?

 はい。まずハードウエアは、古くは企業向けの大型コンピューターから小型のパソコンへ、そして最近は個人向けのデジタル機器へとどんどん進化しています。Windowsを搭載しているかどうかさえ、最近はあまり重要視されなくなりつつあります。

 一方、クラウドコンピューティングは、政府、病院、図書館、人々のコミュニティと、いろいろなところに大小さまざまな形ですでに存在しています。今はもう、クラウド時代と言ってよいでしょう。私は、「パーソナルコンピューティング」の時代から、「パーソナルクラウドコンピューティング」の時代に変化していると見ています。

 Eee PCは、それらのクラウドからいつでもどこでもデータを収集できる、初めての機器だったと我々は考えています。クラウドの増加に合わせるように、最近はクラウドにアクセスする手段も増えています。リアルタイム、リアルプレイスで、人と人とのコミュニケーションをもっとスムーズにするための機器は、今後さらに増えていくでしょう。

 最近は、電子メールをチェックする、Webブラウザーでネットサーフィンをする、音楽を楽しむ、映画を見る、本を読むといった“カジュアルな”用途に向くタブレット型の多機能端末が人気です。指で画面に直接触れて操作する、タッチパネル搭載のこのタイプは、「カジュアルコンピューティング」の時代に入るための機器ととらえています。

 そうしたタブレット型端末とネットブックは似通った部分があります。しかしネットブックは、カジュアルにもビジネスにも使えます。今後はタブレット型端末の選択肢が増えることでそれぞれの位置付けが明確になり、違うカテゴリーとして成り立つようになると見ています。