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 米国シリコンバレーのベンチャー企業スプラッシュトップは2010年11月30日、機能をWebページの表示に絞り、高速に起動する軽量OS「Splashtop OS(beta)」の無料ダウンロードを開始した。対応機種であれば起動時間は最短5秒。同様のOSでは、米グーグルの「Chrome OS」が話題となっているが、Splashtop OSはその対抗軸となっていくのか。クリフ・ミラーCSO(チーフストラテジーオフィサー)に同OSの狙いを聞いた。

■Splashtop OSの開発の経緯は。

 パソコンの普及が進み、OSの機能は大幅に進歩してきたが、今でも使いにくいと感じる部分はある。例えば、パソコンによっては起動時間が数分かかることもある。毎朝、パソコンを使うために待ち時間を費やすのはもったいない。そこで、使いやすさを向上するために、起動の早さを軸足を置いたOS「Splashtop OS」を開発した。

 我々は2006年に会社を設立し、2007年には最初のSplashtop OSを開発した。その後は、台湾アスーステック・コンピューターをはじめ、米デル、米ヒューレット・パッカード、ソニーなどのメーカーがSplashtop OSを採用したパソコンを投入している。現在までに、世界で5000万本の出荷実績がある。

■どのような利用シーンを想定しているか。

 WindowsパソコンにSplashtop OSをインストールすると、電源を入れた後、数秒でSplashtop OSが立ち上がる。米グーグルのWebブラウザー「Chrome」を搭載しており、すぐにネットが利用できる。朝起きたときにパッとメールを確認する、生活や仕事の中で何か分からないことがあったら、即座にWeb検索をするといった使い方ができる。

 最近ではパソコンの電源を落とさずに使い続けている人もいるようだが、電気料金のコストやエコのことを考えると、パソコンの電源は落としたほうがいいのではないか。

 Windowsを入れ替えて、Splashtop OSだけを使うとなれば、抵抗を感じるユーザーが多いはずだ。そこで、Windowsの環境はそのまま残し、Splashtop OSと併用できる仕組みとした。Splashtop OSを起動した後、画面左下のボタンを押せば、Windowsが起動する。

Windowsとの共存を重視

■グーグルの「Chrome OS」との違いは。

 Webブラウザーを簡単に利用できるようにしたOSという点では共通点が多いが、データの扱い方に対する考え方が異なる。Chrome OSは、クラウド上にユーザーのすべてのデータをアップし、Web上で作業をこなすという利用形態が前提となっている。

 現実的に考えると、Chrome OSが想定している利用形態はハードルが高い。現在ではWindowsのアプリケーションを利用し、ローカルのハードディスクにデータを保存しているユーザーが多いからだ。すべてWeb上で作業をする時代の到来には、まだ時間がかかるだろう。数年、10数年がかかるかもしれない。だからこそ、Splashtop OSはWindowsと併用できるようにした。

 既存のパソコンとの連携という点では、2011年にはSplashtop OSから、LAN内のWindowsパソコンやMacにリモートデスクトップ接続できる機能「Splashtop Remote」を追加する。iPhoneやiPad向けに投入しているリモートデスクトップのアプリの技術を応用したものだ。

インテル提唱の新OS「MeeGo」とも融合

■どのような技術を使って開発しているのか。

 Splashtop OSはLinuxをベースに開発している。Linuxの推進団体であるLinux Foundationとは密接な関係を持っている。米インテルやフィンランドのノキアが提唱し、現在ではLinux Foundationが推進する携帯機器や家電のOS規格「MeeGo」にも準拠させる。

 メーカー製パソコンに添付するOEM版は独自のWebブラウザーを搭載していたが、無料配布を開始したダウンロード版はグーグルが開発したオープンソース版の「Chromium」ブラウザーを採用した。メニュー画面の検索エンジンには、初期設定でマイクロソフトのbingが表示されるようになっている。各社と良いパートナーシップが築くことができている。

■今後は何を目指していくか。

 現在では、ダウンロード版の対応機種がヒューレット・パッカード製のパソコンなど一部に限られている。対応機種を増やすことができるよう、現在、急ピッチで検証を進めていく。Splashtop OSの配布を開始してから、多くのユーザーがダウンロードをしている。できるだけ多くのユーザーに普及できるようにしたい。