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「きずな」(WINDS)チームのミッションマネージャの中尾正博氏。岩手県盛岡市の県庁と石巻市での通信支援に当たった。今回の活動では、各地区2~3人の体制で約5日ごとに交代で現地入り。はじめメーカー技術者の応援も得て4月24日の支援終了まで活動したという。約40日間の活動中、3~4回現地入りしたスタッフもいたとのことだ。(撮影 小林伸)
「きずな」(WINDS)チームのミッションマネージャの中尾正博氏。岩手県盛岡市の県庁と石巻市での通信支援に当たった。今回の活動では、各地区2~3人の体制で約5日ごとに交代で現地入り。はじめメーカー技術者の応援も得て4月24日の支援終了まで活動したという。約40日間の活動中、3~4回現地入りしたスタッフもいたとのことだ。(撮影 小林伸)
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 東日本大震災後、被災地域の寸断されたインターネット接続環境を、人工衛星を利用した回線で補う活動が行われた。支援に当たったのは、JAXAで運用中の超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)チームだ。

 「きずな」は、2008年に打ち上げられた、静止軌道上からブロードバンド回線を提供する宇宙の通信衛星。Ka帯と呼ばれる高周波の帯域を利用し、日本全国どこでも、またアジアの一部地域まで、下りの通信速度が最大155Mbpsという高速インターネット環境を提供できる。これまで、インフラ面でのデジタルデバイドを解消すること、また災害時にも利用できるネット環境を構築することを目的に、各種実証実験を行ってきた。その最中に起きたのが今回の大震災だった。

 地上で直径45cm程度の可搬型アンテナを設置しさえすれば、日本全国どこでも「きずな」の回線が利用できる。この機動力を生かし、チームは震災後5日めから被災地である岩手県盛岡市と釜石市に入った。現地でネット環境を提供し、県の災害対策本部へビデオ会議システムを提供したり、市民がネット上の被災者名簿や生活情報を閲覧したりできるよう支援した。

 今回、「きずな」(WINDS)チームのミッションマネージャである中尾正博氏に、現地での活動の様子と衛星回線の果たした役割、そして今後の災害支援活動についての課題を聞いた。(聞き手はフリーランスライターの秋山文野)