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すずき・ゆうすけ:1944年、神奈川県生まれ。1968年小学館入社。1987年に「週刊ポスト」の編集長に就任し、新たな試みとしてパソコン通信「ポストネット」の開局に取り組む。1992年以降にはDTP(desktop publishing)による単行本の編集出版、漫画や絵本などのCD-ROM製作を手がける。1998年に電子書籍コンソーシアムを結成。2000年5 月にイーブックイニシアティブジャパンを創業。(撮影:中村 宏)
すずき・ゆうすけ:1944年、神奈川県生まれ。1968年小学館入社。1987年に「週刊ポスト」の編集長に就任し、新たな試みとしてパソコン通信「ポストネット」の開局に取り組む。1992年以降にはDTP(desktop publishing)による単行本の編集出版、漫画や絵本などのCD-ROM製作を手がける。1998年に電子書籍コンソーシアムを結成。2000年5 月にイーブックイニシアティブジャパンを創業。(撮影:中村 宏)
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 これは文化の自殺行為だ──。倉庫の天井まで積み上がる返本の山を見て衝撃を受けた。書店に並ぶ本の約4割は売れ残り、出版社の倉庫に戻る。これらの本は経理上の資産価値を減らすため、大半を処分する。返品による収益減を埋めるため、出版社は新たな本を次々と作っては、書店に納める。

 週刊誌の編集長を務めていた鈴木氏の胸に湧き上がる出版業界への疑問。解決に向けた道筋を示したのがパソコンだった。週刊誌の特集記事の感想をパソコン通信で募集したところ、有益な意見が多数集まった。それらを誌面にまとめたコラムも好評。これがきっかけで、鈴木氏はパソコンにのめり込む。次第に「電子機器で本を読めるようになれば、返品の問題がなくなり、出版業界のさまざまな矛盾が解消できる」という考えに到達する。

鈴木氏が電子書籍コンソーシアムを立ち上げる前に、関係企業や官公庁などに電子書籍のイメージを伝えるために使用した木製の模型
鈴木氏が電子書籍コンソーシアムを立ち上げる前に、関係企業や官公庁などに電子書籍のイメージを伝えるために使用した木製の模型