インターネット経由で各種ソフトウエア(アプリケーション)の機能を提供するサービス、あるいはそれを実現するための仕組みのことです。「Software as a Service(サービスとしてのソフトウエア)」の略で、「サース」と発音します。特に、業務用ソフトウエアの機能を提供するサービスをSaaSと呼ぶ場合が多いようです(表)。

SaaSの特徴は、自分のパソコンや企業/組織内のサーバーに、ソフトウエアをインストールする必要がないことです。Webブラウザーなどを使って、サービスを提供する企業のサーバーにアクセスして、その機能だけを利用します。ソフトウエアの導入作業が不要であるため、すぐに利用を開始できます。
ソフトウエアやサーバーを管理する手間が省けることも特徴です。ソフトウエアをインストールしたサーバーはSaaSの提供企業が管理します。ソフトのバージョンアップなども提供企業が適宜実施してくれます。
SaaSと同じようなサービスとしては、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)があります。ASPは2000年ごろに注目されましたが、当時はインターネット回線がそれほど速くなかったことと、ユーザーごとにサービス内容をカスタマイズすることが難しかったことなどから、一部を除いてはそれほど普及しませんでした。この欠点を補ったのが、SaaSといえます。SaaSの多くでは、ユーザーの要求に合わせて機能や設定をカスタマイズできます。回線使用料も安価になっているので、SaaSを利用しやすい環境が整ってきているといえるでしょう。