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巧みに誘い、静かに脅す

 「今夜のおかずは何にしようかしら」。主婦A子さんの毎日の悩みは、夕食の献立。「今日もインターネットで調べよう」。検索サイトはA子さんの強い味方。パソコンに向かったA子さんは、検索サイトにアクセス。キーワードに「おかず」を入力して、検索実行。多数の検索結果が表示された。

 検索結果を見ていく中で、A子さんの目にとまったのは「おかずちゃんねる」というサイト。リンクをクリックすると、何やら怪しげな動画サイトが表示された。

 「何かしら、このサイト」。おかしいと思いながらも、ついついWebページ上の「ENTER」ボタンをクリック。すると、「利用規約」や「18歳以上のみ登録できます」などと書かれたダイアログ(ウインドウ)が次々と表示。ダイアログ中の「キャンセル」ボタンを押しても、新たなダイアログが表示されていく。

 気が付くと、Webページ上には「登録完了」という大きな文字と、9万5000円の振り込みを要求する文章が点滅していた。

 「一体、何が起きたの?」。戸惑うばかりのA子さん。どうやら、アダルト系の有料サイトに勝手に登録されたようだ。どうしたものかと、「登録完了」のページをスクロールしていくと、女性の裸の写真が貼られた「請求はがき」の見本と、「料金が振り込まれない場合には、このはがきを自宅に送付します」という一文。「こんなはがきを送られたら、家族にアダルトサイトを見ていると思われてしまう」。

 間違って押しただけだと伝えたくて、そのページに書かれていた「サポートセンター」の電話番号に連絡。だが、「登録は完了しているので料金を払ってください。払わなければ請求はがきを送るまでです」と取り付く島もない。「家族に知られるよりはまし」。A子さんは払う必要のない料金を、指定の口座に泣く泣く振り込んだ……。

 2007年11月、千葉県警は「おかずちゃんねる」など43のWebサイトを運営していた男女7人を、詐欺ならびに恐喝の容疑で逮捕。男らは、全国のパソコンユーザーおよそ420人から、総額3億7200万円を前述のような手口でだましとった。「被害者の年齢や職業、性別はさまざまだった」(事件を担当した千葉県警察本部生活安全部生活経済課の矢野義春氏)。「A子さん」の話は、関係者への取材に基づいた編集部の創作だが、同様のシナリオで被害に遭ったユーザーは少なくないはずだ。

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