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 JEITA測定法とは、業界団体のJEITA(電子情報技術産業協会)が2001年6月に策定した、ノートパソコンを対象としたバッテリー駆動時間の測定基準です。正式名称は「JEITAバッテリ動作時間測定法」であり、2008年6月上旬時点のバージョンは1.0となっています。

 JEITA測定法が登場する以前は、統一された測定基準が存在せず、メーカーや製品ごとに測定方法が異なる状況でした。バッテリー駆動時間を測定するベンチマークプログラムも存在はしていたのですが、OSの種類によっては動作しない、あるいは動作しても安定しないなどプラットフォームに依存する傾向がありました。このため、ユーザーがノートパソコン製品をバッテリー性能で比較することが困難でした。

 そのような状況のもと登場したのがJEITA測定法です。現在では、メーカーの多くがJEITA測定法による数値をカタログに掲載しています。測定値をカタログなどに掲載する際は、測定条件を公表することを求めています。測定した結果の再現性を考慮しているのです。

 統一的な測定基準とはいえ、テスト内容自体は非常に単純です。具体的には(1)所定のMPEG-1ファイル(320×240ドット表示)を繰り返し再生(2)電源を入れたまま何もせずに放置、という2種類のテストを実施、それぞれの結果を足して算出した平均値をバッテリー駆動時間とします。液晶の輝度は、テスト(1)で20カンデラ/平方メートル以上、テスト(2)で最低値にするよう定めています。

一般にカタログに掲載しているバッテリー駆動時間は、JEITA(電子情報技術産業協会)が定めた「バッテリ動作時間測定法」で導き出したもの。動画再生を実行した状態と放置した状態の2通りでバッテリー駆動時間を計測する。両テストの合計値を2で割ったものがバッテリー駆動時間として記載される
一般にカタログに掲載しているバッテリー駆動時間は、JEITA(電子情報技術産業協会)が定めた「バッテリ動作時間測定法」で導き出したもの。動画再生を実行した状態と放置した状態の2通りでバッテリー駆動時間を計測する。両テストの合計値を2で割ったものがバッテリー駆動時間として記載される
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テストの負荷は小さい

 一般的なノートパソコンの場合、液晶の輝度は200カンデラ/平方メートルから500カンデラ/平方メートル程度ですから、どちらのテストでも画面は相当暗くなります。テストの内容も、現行のノートパソコンの性能からすれば負荷は小さいと言わざるを得ません。つまり、カタログの掲載値はあくまでも特定の条件下での駆動時間であり、ユーザーの利用状況によっては、バッテリー駆動時間がカタログに掲載された値よりもずっと短くなる可能性があります。

 また、パソコンの省電力設定によってもバッテリー駆動時間は変わってきます。JEITA測定法では省電力の設定方法を特に定めてはいません。これは、省電力設定の思想がメーカーによって異なるためです。

 実利用におけるバッテリー駆動時間の目安は、カタログ掲載値の7割程度と一般にいわれています。JEITA測定法は、あくまでノートパソコン製品のバッテリー性能を相対的に把握するための基準。数値に過度の期待は禁物、と心得た方がよいでしょう。