「ほらごらん はるか彼方に 最後のセル」
小さな表がポツンとあるだけなのに、ファイルサイズが2メガバイト。Excelでは時折、摩訶不思議なファイル肥大化現象に出くわすことがある(図51)。
疑問を解くカギは、「最後のセル」にある。Excelはシートを保存するときに、全部のセルの情報を記録するわけではない。使用しているセル範囲の情報だけを保存して、ファイルサイズを抑えているのだ。使用領域の先頭は常にA1セルだが、末尾は実際に使われた「最後のセル」に応じて変わる。
最後のセルを調べるには、「ジャンプ」機能の「セル選択」で「最後のセル」を選べばいい(図52)。ここでは、5万行目が最後だった(図53左)。表が小さいにもかかわらず使用中と見なされた範囲が巨大だったのが、肥大化の原因だ。
ユーザーとしては表の末尾まで保存してくれればいい。そこで、表の下から5万行目までを選択し、行単位で削除する(図53右)。これで最後のセルが、表の末尾のセルに修正される。上書き保存すれば、ファイルサイズも適正になる。
ところで、「最後のセル」がはるか遠くにあったのはなぜか。考えられるのは、以前に5万行目までデータが入っていたこと(図54)。データを削除した後も、表示形式などの書式情報が残ることがある。その場合、見た目はまっさらでも使用中の扱いになる。