「ソムリエのサービスは情報量が命」と語る大越さん。iPhoneによってワインの膨大なデータベースを作成し、それを基にワインの買い付けや品ぞろえを充実させている。アナログのサービスが中心の世界で、デジタルの力を生かす大越さんのiPhone活用とは!?

フランス料理店「銀座レカン」でシェフ・ソムリエを務める。2003年第1回JALUX WINE AWARDで優勝したほか、ソムリエコンクールで多数の受賞歴がある。2008年からiPhone 3Gを駆使し、レストランのサービスに活用。2010年8月にiPhone 4を購入している
■ソムリエのお仕事で、どのようにiPhoneを活用しているのですか?
主にワインのテイスティングコメントを記録するため、iPhoneを使っています。私たちは、多いときは1日で100種類以上のワインを試飲しますが、すべての香りや味を、長い間記憶することはできません。すぐに記録し、コメントを蓄積することで、ワインのデータベースを作っているのです。
■コメントは専用のアプリを利用して記録しているのですか?
「Tasting Notes」というアプリを使っています。ラベルの写真をカメラで撮って、ワインの酸味、渋み、香りや合いそうな料理など、必要な情報をできるだけ具体的に書いた上で、全体の評価点を付けています。同じようなアプリはほかにもありますが、Tasting Notesの良いところは、フリーワードで書ける点です。選択肢から選ぶものより、正確な印象を残せます。
■iPhoneを使う前はどのようにコメントを残していたのでしょう?
まずは紙に手書きし、大事なところだけパソコンのワープロソフトで打ち直して、データとして保存していました。ノートやメモ帳のままだと、データを探すのに時間がかかりますし、紛失のリスクも高いですから。