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 VIA Technologiesは2008年5月29日、x86互換で低消費電力の新型CPU「Nano(ナノ)」を発表した。同社のC7の後継製品で、これまで「Isaiah(イザヤ)」の開発コード名で呼ばれていたシングルコアのCPU。C7は実装面積が小さく消費電力が低いことから、低価格ノートPCや組み込み用途で使われていた。最近の製品では、日本ヒューレット・パッカード(HP)の「HP 2133 Mini-Note PC」がノートPC向けのC7-Mを採用している。

 NanoはC7からマイクロアーキテクチャーを一新。同社のCPUとして初めて64ビットに対応したほか、スーパースカラー構造にしてアウト・オブ・オーダー実行を実装して処理性能を高めた。アウト・オブ・オーダー実行は、命令の取り込み順に関係なく実行できる命令から処理する仕組み。IntelやAMDのPC向け主力CPUは以前から搭載しているが、VIA製CPUは実装していなかった。

 Nanoでは、1クロック当たり3個のx86命令をデコードして、3個の「マイクロOps」(CPU内部の独自命令)に変換、アウト・オブ・オーダー実行エンジンを経て7個の実行ポートに命令を発行できる。また、新しいアルゴリズムの採用で浮動小数点演算を高速化。Blu-ray Discコンテンツなどのハイビジョン映像を滑らかに再生できるようになったという。C7では浮動小数点演算性能の低さが弱点の1つだった。

 1次キャッシュは命令とデータがそれぞれ64KB。1次キャッシュと排他利用の2次キャッシュを1MB備える。C7と同じく、乱数発生器やAES暗号化エンジン、ハッシュ生成機構、NX bitなどセキュリティー関連機能も搭載する。ダイサイズは7.650×8.275mm、パッケージサイズは21×21mm。C7とピン互換性がある。製造は富士通の65nmプロセス。

 Nanoには、デスクトップPCとノートPC向けのLシリーズと小型ボディーのデスクトップや携帯端末向けのUシリーズの2つのラインアップがある。Lシリーズは1.8GHz動作のL2100と1.6GHzのL2200の2モデル。TDP(熱設計電力、実使用上の最大消費電力)はL2100が25W、L2200が17W。Uシリーズは1.3GHz以上のU2400(TDP8W)、1.2GHzのU2500(同6.8W)、1GHzのU2300(同5W)がある。FSBは800MHz。アイドル時の消費電力はL2100のみ0.5Wでほかは0.1W。既にメーカーには出荷中で、第3四半期には搭載製品が登場する見込みという。

VIA TechnologiesのNanoの製品情報