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 電子情報技術産業協会(JEITA)の庄山悦彦会長(日立製作所 取締役会長)は、ダビング10と私的録音録画補償金について「製品を購入する消費者の思いを重視したい。夏商戦にとらわれて将来に禍根を残さないようにしたい」と語り、権利者側との合意にはさらなる議論が必要との姿勢を示した。2008年5月30日に開催された就任会見で明らかにした。

 地上デジタル放送のコピー制限を緩和する、いわゆる「ダビング10」は、当初6月2日に始まる予定であったが、並行して話し合いが行われている私的録音録画補償金の見直しをめぐり、JEITAらメーカー側と権利者側との間で合意に至らず、無期延期となっている。これについて、「相互にきちんとしたものができれば良いと思っているが、予定が延期となったことは残念である」と語った。

 その上で庄山氏は、対立の背景について「機器メーカーとしては、消費者がどう思っているかを気にしている。消費者が(補償金を)どんどん払うというのであれば別だが、アナログのときは補償金の問題がなく、コピーワンスで不便になったことで問題が顕在化してきたという経緯がある。(補償金の対象機器・媒体が)デジタル機器に拡大されると、今後ますます多くの製品が出てくる中で消費者が納得するだろうか」と指摘し、権利者側をけん制した。

 今後の解決策については、「メーカー側は消費者の気持ちを代弁しているにすぎない。このあたりの考え方を(権利者側に)もう少し理解いただけないかと考えている。夏商戦が始まろうとしているが、夏商戦にとらわれて将来に禍根を残さないようにしたい。少々(の期間)かもう少しかかるか分からないが、きちんとした形にしたい」として、時間がかかっても消費者側を含めた完全な合意を目指すべきとの見解を示した。

 アナログ放送から地上デジタル放送への移行については、「(2011年7月24日に予定されている)アナログ停波がだんだん近付いてきた。デジタル放送へ移行することの認知率は年々上がっており、各省庁や関係者が努力していることも理解しているが、もっと正しく伝えることが必要だと思う」と語り、残り3年強での完全移行にはまだ課題があるとの見方を表明。ただし、移行促進のための具体策は「各関係者が集まり国民に正しく理解いただくことをもっとやらねばいけない。7月24日に開かれるイベントに我々も参加したい」と述べるにとどまり、踏み込んだ普及促進策の必要性については特に言及しなかった。