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 位置情報の測定が行えるのはGPSだけではない――。クウジットの末吉隆彦社長は2008年9月30日、「CEATEC JAPAN 2008」の主催者企画「モバイルコンピューティング PLAZA」でのセミナーで、同社の位置情報測定技術「PlaceEngine」の可能性について、デモを交えて紹介した。

 PlaceEngineは、無線LANの電波により位置を測定する技術。GPSなしでも、ノートパソコンやゲーム機などのWi-Fi機器で、簡単に現在位置を確認できるのが特徴だ。

 末吉社長はまず、PlaceEngineの仕組みについて解説した。PlaceEngineでは、無線LANのパターンをMACアドレスと受信信号強度の組み合わせにより特定し、地図上でひも付けることにより位置を推測する。さらにユーザーが新たな位置を登録することで、その位置の推測が可能になり、利用可能なエリアが増えるとともに推定位置の精度が改善されていく。このため末吉社長は「ユーザー参加型の位置情報基盤」と表現。また、PlaceEngineにはサーバ版とローカルDB版の2種類あり、ローカルDB版ではインターネットに接続しなくても位置の測定が可能であることにも言及した。

 続いてGPSとPlaceEngineの機能比較について詳しい説明がされた。GPSと比べたPlaceEngineの最大の優位点は、GPSが衛星からの微弱な電波を捕まえなくてはならないため屋外でしか使えないのに対し、PlaceEngineでは屋内や地下での位置情報測定が可能であること。また測定時間もPlaceEngineのほうが速く、高さの違いによるフロア認識も可能だ。ただし、測定精度についてはGPSが数メートル程度であるのに対し、PlaceEngineでは数メートルから場合によっては数百メートルと、GPSに軍配が上がる。これについて末吉社長は「PlaceEngineはGPSに取って代わるものではない。GPSとハイブリッドで使うことで屋内・屋外双方での位置測定が可能になり、可能性がより広がる」と強調した。

 さらにPlaceEngineの応用事例も紹介された。「goo」や「マピオン」といったサイトでの位置情報提供をはじめ、最寄りのラーメン店やカフェの検索、スカイプで登録している友人がいる場所までの距離を表示するサービス、さらにはPSPのゲームなど、すでに幅広い領域で導入されている。日経BP社のサイト「PC Online」で提供されている、Googleマップ上に無線LANスポットなどを表示するサービス「モバイルマップ」も、「PlaceEngine」を活用したものだ。末吉社長は「今後は、常に『PlaceEngine』対応機器を身につけて自分の生活習慣を把握するライフロギングといった用途にも使われるだろう。特に都市生活者にとって身近な位置情報基盤になると感じている」と将来像を語り、セミナーを締めくくった。