日経WinPC編集部は2008年11月2日、東京・秋葉原で開催された自作PCユーザー向けイベント「DIY PC Expo 2008 Autumn」のセミナーにおいて、日本AMDに公開インタビューを行った。回答者は同社マーケティング&ビジネス開発本部の土居憲太郎氏と森本竜英氏だ。
●直近に登場するCPUは?
1つは低消費電力版デュアルコアの「Athlon X2 5050e」。トリプルコアも倍率を変えられる「Black Edition」が出る。モデルナンバーはまだ言えない。
●製造プロセス45nm版のCPUは本当に2008年中に出るのか。
必ず年内に出す。まずはサーバー向けのCPU(開発コード名はShanghai)になる。デスクトップ版(開発コード名はDenebなど)がどうなるかはまだ言えない。製造が滞っているわけではない。サンプルは出しているし、サーバー向けCPUは既に(工場から)製品版も出している。
●45nm版CPUは、今のマザーボードで使えるのか。
使える。45nm版CPUは「AM3」というパッケージになる。これは、AM2パッケージに対応したSocket AM2のマザーボード、PhenomシリーズのAM2+パッケージに対応したマザーボード、さらに今後登場予定のAM3のマザーボードのどれでも使える。ただしBIOSの対応は不可欠だ。Socket AM2のマザーボードではメモリーがDDR2になる。AM3ではDDR3だ。逆に現行のAM2+パッケージのCPUは、新しいAM3のマザーボードでは使えない。
●Phenomと同じ設計のデュアルコアCPUとして「Kuma」という開発コード名の製品がある。これはクアッドコアの流用か。性能はどうなるのか。
クアッドコアのダイ(半導体本体)を流用している。専用のダイではない。Phenomが登場する前は、専用のダイでKumaを投入する予定だったが、クアッドコアの歩留まりが高いこととトリプルコア製品で性能を確保できることから、2種類のダイを製造する計画は取りやめになった。
現行のデュアルコアの上位モデルと同じく3GHz前後で動作するならば、当然Kumaでも性能は高くなる。しかし、低い動作周波数ならトリプルコアが性能面で有利になる。今後のマルチコア対応アプリケーションの充実を考えても、コアが多い製品に優位性がある。現時点では、Kumaは年内に出す予定だ。