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 動画投稿サイト「ニコニコ動画」を運営するニワンゴは2008年11月4日、手塚治虫氏の漫画作品について手塚プロダクションから二次利用の許諾を受けたと発表した。「鉄腕アトム」をはじめ、手塚氏の作った漫画キャラクターを用いて動画を作成し、ニコニコ動画に投稿することが可能になる。併せてニワンゴは、投稿動画などの素材を提供する関連サイト「ニコニ・コモンズ」において手塚氏の漫画キャラクターの素材を掲載し、ユーザーが自由にダウンロードできるようにした。

 ニコニ・コモンズで提供する素材は鉄腕アトムのほか、「ジャングル大帝」「リボンの騎士」「ブラックジャック」「火の鳥」など。ユーザーは、ニコニ・コモンズに掲載されているこれらの漫画キャラクター素材をダウンロードし、自分の投稿動画の素材として自由に二次利用することが可能。このほか、「ニコニ・コモンズに掲載されている以外の素材でも、手塚氏の漫画作品であればニコニコ動画への投稿用素材として二次利用できる」(ニワンゴの親会社であるドワンゴのニコニコ事業本部)。

 ただし、(1)投稿先はニコニコ動画と関連サイトのSMILEVIDEO、ニコニ・コモンズ、手塚氏の公式サイトに限られる、(2)手塚氏の作品のイメージを著しく損なうような利用は認めない、(3)ニコニ・コモンズに投稿する際は、「親作品」として基になった手塚氏の作品名を明記する、(4)二次利用可能なのは漫画のみで、テレビや映画などのアニメや、アニメで使われていた楽曲などは今回の許諾の対象外である――といった制限事項がある。

 ニワンゴは、プロの創作した作品を二次利用して、ユーザーがニコニコ動画の投稿動画を作成・公開できるよう、各分野の著作権団体などと交渉を進めている。2008年4月には、音楽著作権の二次利用について日本音楽著作権協会(JASRAC)から包括許諾を得るなど、二次創作の環境を整えつつある。ニコニコ動画では過去に、テレビ番組の無許諾投稿が相次いだことなどから、依然として二次利用に慎重姿勢を示す権利者や著作権団体も多いが、漫画業界で大きな影響力を持つ手塚プロダクションが許諾したことで、ニコニコ動画への二次利用を認める流れが加速しそうだ。