マイクロソフトが主催するハードウエア開発者向け会議「WinHEC 2008」が、2008年11月5日より米国ロサンゼルスにおいて開催されている。WinHECは、Windowsなどのマイクロソフトのシステムに対応するハードウエア開発者やPCメーカーの技術者などに最新情報を伝えるためのイベントだ。ここでは、その模様をお伝えしていこう。
前週に開催された「PDC 2008」が、アプリケーションなどソフトウエア開発者が対象だったのに対し、こちらはハードウエアの技術者やデバイスドライバーの開発者などが対象だ。そのため、セッションの内容もシステムの内部的な処理の話が中心となる。
ハードウエアの情報をまとめたデバイスステージ
メインの話題は、当然ながら「Windows 7」。2009年後半から2010年にかけて投入するとみられる新型OSだ。今回のWinHECでも、PDC 2008で配られたものと同じWindows 7のプレベータ版が配布されたが、もったいを付けてHDDに入れて2日目に配布したPDCと違い、入場登録時に配布されたバッグに最初からインストール用のDVDが入っていた。
初日の基調講演には、PDC 2008と同じくシノフスキー氏が登場。再びWindows 7を紹介したが、今回はハードウエア面に焦点を当て、PDCのようにタスクバーなどユーザーインタフェースの話はほとんどなかった。
基調講演では、Windows 7が持つ省電力機能などのハードウエア関係の機能が紹介された。特に大きく扱われたのは、「デバイスステージ」と呼ばれる機能。これは、Windows 7に接続されたデバイスの情報をまとめたページで、通常はハードウエアメーカーがあらかじめ作成しておき、デバイスドライバーのインストール時に組み込む。
このデバイスステージには、ハードウエアの状態表示などのほかに、メーカーや製品、オンラインマニュアルなどへのリンクや、例えばプリンターであればインクなどの状態、消耗品販売サイトへのリンクといった特定のハードウエアやメーカーに関する情報を盛り込める。ページ自体も製品写真やメーカーロゴが配置され、メーカーのWebサイトにある製品ページのような体裁となっている。
このデバイスステージは、Windows 7に搭載される機能の1つであり、シノフスキー氏は、デバイスメーカーなどにこのデバイス・ステージへの対応を呼びかけた。また、Bluetoothや無線LANなどのワイヤレスデバイスや、プリンターやUSBメモリーといったUSBデバイスが簡単に接続できることを示し、Windows 7では、ユーザーの「デバイス体験(Device Ex:デバイスを接続したり、インストールするときにユーザーが行ったり、感じたりすること)」が大きく変わることを示した。