PR

 台湾アスーステック・コンピューター(ASUS)のジェリー・シェンCEOは、12型液晶を搭載し、CPUにインテルのAtomを使うノートパソコンを、2008年12月末にも発売する方針を明らかにした。現在のAtom搭載ノートは、8.9~10.2型の液晶画面を採用する製品が主流。デルが10月下旬に発表した「Inspiron Mini 12」が12.1型液晶を採用しており、画面サイズでは1製品だけ飛び抜けた格好になっている。ASUSはこのInspiron Mini 12に対抗する狙いもあり、12型液晶搭載モデルを発売することにした。

 ASUSはこれまで、7~10.2型の液晶画面を採用したAtom搭載ミニノートを「Eee PC」ブランドで提供してきた。同社は12型液晶を搭載した製品は、もはやミニノートではなく、一般的なノートパソコンの部類に入ると考えている。このため、12型液晶の採用モデルは「ASUS」ブランドで提供する方針だ。

 デルの「Inspiron Mini 12」は、12.1型液晶を採用しながら、厚みを23.3~27.6mmに抑え、重量も1.24kgと軽くした点が特徴だ。同社は、Atomシリーズの中でも消費電力が少なく、発熱を抑えられるZ520、同530を採用することにより、薄いきょう体と約3.5時間のバッテリー駆動時間を実現した。

処理性能が高いAtom Nシリーズにこだわる

 これに対しASUSは、「同じAtomでも、Zシリーズに比べて処理性能が高い」(同社)という理由から、Eee PCではAtom N270を一貫して採用し続けることにこだわってきたとしている。11月22日に発売する新モデル「Eee PC S101」でも、10.2型液晶とAtom N270を採用しながら、厚さを18~25mmとスリム化し、重さを約1.06kgに抑えた。また、独自の省電力機能である「Super Hybrid Engine」を搭載して、最大4.6時間の駆動時間を確保した。Super Hybrid Engineは、CPUの動作周波数と電圧、そして液晶輝度を調整して消費電力を抑える機能である。このように、N270と独自の省電力機能を併用して、高い処理能力と長時間駆動を両立させる方針を、今回の12型液晶モデルでも継承する。

 インテルは当初、Atomを搭載する機器について、Nシリーズは低価格ミニノート向け、ZシリーズはスマートフォンやMID(モバイル・インターネット・デバイス)向けと厳格に規定していた。しかし最近になって、この枠組みを超えた製品が少しずつ出始めている。これについてジェリー・シェンCEOは、「当社はインテルとの緊密な連携によって、Atom搭載の12型ノートを発売するべく準備している。インテルがAtomのガイドラインを緩和したのは英断だと思っている。ユーザーが望むならば、これからそうした動きが出る可能性はあるだろう。ただし当社としては、インテルのポリシーをないがしろにするつもりはなく、あくまでインテルの考えを尊重しながら商品開発に取り組んでいきたい」と語った。

 Atom搭載ミニノートは、既存のCore 2 DuoやCeleronを搭載したノートパソコンと比べると処理能力は劣る。このためメーカー各社は、モバイル環境で使う2台目のパソコンと位置付けている。しかし、Atom搭載製品の画面サイズが大きくなってくると、自宅やオフィスで1台目のマシンとして使おうとするユーザーも増えてきそうだ。ジェリー・シェンCEOは、「中国では2008年10月に10型液晶を搭載したミニノートを発売し、2万5000台を売り上げたが、ほとんどのユーザーは1台目として購入していた。こうした需要は画面サイズの拡大に伴って増えていきそうだ」としている。