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 パナソニックと三洋電機は2008年11月7日、資本・業務提携に向けた協議開始について報道関係者向けの説明会を開催した。この中で両社は、「あらゆる事業領域で収益性の向上が期待できる」(パナソニック 代表取締役社長の大坪文雄氏)、「パナソニックからの支援を得ることで、中期経営計画の達成はもとより、さらなる発展を期待できる」(三洋電機 代表取締役社長の佐野精一郎氏)と協業のメリットを強調した。

「SANYO」ブランド、当面は併存

 会見では、白物家電や電子部品など両社で重複している事業について、当面は双方のブランドを維持して製品展開していく姿勢を明確にした。「両社の事業内容を見たときに、白物やデバイスは大きなくくりで見ると重複しているところがあるのは事実。だが詳細に見ると、両社の商品が全く同じマーケットやユーザーを対象にしているという例はそれほど多くはないのではないか。重複しているように見える部分もうまく当てはめ、ラインアップの充実できる部分もあるだろう。開発効率や生産効率、調達戦略の相乗効果が期待できるよう、両社の力や個々の商品を精査したい」(大坪氏)。

 パナソニックは、AV機器事業で重複していた日本ビクターを連結子会社から除外し、ナショナルブランドを廃止してブランドの統一を実現したばかり。説明会の質疑応答では、再び複数のブランドを持つことを懸念する声も出た。これについては、「ブランドの拡散もあるだろうが、相乗効果もある。冷静に判断して、相乗効果を生むことのメリットの方が大きいと判断した」(大坪氏)と強い調子で切り返し、あくまで問題ないとの姿勢を明確にした。

三洋の事業見直し、中期計画の成否次第

 一方で、子会社化以降の三洋電機の事業再編については慎重な姿勢を示した。「三洋電機は、2005年度の苦しい経営を06~07年度に乗り切ってきた経緯がある。そういう危機を乗り越えてきた経験を生かし、中期計画を達成したいと佐野社長は願っている。旧松下電器産業も2001~02年度に同じ経験を持っており、当社としても雇用とブランドの重みについては共感している。しかし、経営は勝ち残って初めて意味がある。単に甘い話だけということはあり得ない。厳しい話もあるということを佐野氏と話している」(大坪氏)と語り、中期的には事業再編の可能性があることを示唆した。三洋電機が2010年度を目標年度として進めている中期経営計画の成否が、その後の三洋電機の事業計画を左右する鍵となりそうだ。

 パナソニックの三洋電機に対する出資比率については、「どういう形の子会社化かはこれから協議を深めていくが、子会社としてパナソニックグループの一部になるわけで、マジョリティの株は押さえたいと思う」(大坪氏)とした。

 パナソニックがこの時期に三洋電機の子会社化を決めた理由については、「当社はグローバルエクセレントと呼ばれる会社を目指し、2009年度を目標年度として『GP3』という中期経営計画を進めている。このGP3が1年半経過したが、自動車メーカーの戦略転換に伴うカーエレクトロニクスの下ぶれなど、今回の金融危機で当初目指していた成長の達成が困難になっている。グローバルエクセレンスを目指すには、もう一つ成長分野が必要と判断した」(大坪氏)と説明。その上で、「例えば、三洋電機の太陽電池とパナソニックの家庭用燃料電池は相乗効果を図れるし、三洋の太陽電池をパナソニックの販売網経由で販売すれば大きな効果を期待できる。三洋の事業の中に、当社にとって大変魅力のあるもの、当社と組めば相乗効果が見込める事業がある。経営環境が苦しいからこそ、さらなる成長のために思い切った手を打つ必要があると判断した」(大坪氏)と語った。